第33話 気分は…見世物パンダ。

 この方…領地は兄が継ぐと言って話すけれど……。

 自分はお兄様を助けないのかしら?


「後継者様が、お兄様と言うことは。ご兄弟で領地を盛り経てて行かれるのですか?」

「………ええですが、私は違う形で手助けをしたいと、思って居りますよ?」

「違う形ですの?失礼ですが、そのお考えとは?どの様な事を」

「それは……ここで話すことですか?」


 おっと、いけないいけない変に探られたと思われたかしら?


「これは、失礼しましたわ。不快にさせましたかしら」

「いえ、ですが、聞かれても話せないとだけ、伝えて起きましょう」

「それでは、私との婚約の申し込みの理由を、伺っても宜しくて?まさかそれも秘匿だなんて、仰ったりしませんわよね?」

「ええ、それは貴女にも知って貰いたい。何せ当事者ですからね?お互いに……」


 ん~……なんでしょうか……気持ち悪い。

 容姿はまぁ……?

 整ってますね…私の好みではないですが。

 それに、言い方と含み笑いが………。

 二度も、言いますが……実に気持ちが悪い。


「それで?理由を聞かせて下さいませ。聞けばそちらもご婚約を破棄されたとか?」

「……知っておりましたか。はぁ~」

「あの……隠すおつもりでしたの?」

「ええ、私にとっては、汚点でしか有りませんからね(役に立たない女等、私に相応しくはないからな)」

「は~ぁ、汚点ですの?私もそれでは、あの方の事は汚点ですわね。フフフ」

「貴女の、汚点は非常に大きなものです。ですから私がその汚点ごと、引き受けて差し上げましょう」


 差し上げる?上から目線ね………。

 何で貴方に支えて貰わないと、ならないのかしら?


 あぁ、忘れてた訳でな無いですが、この世界はごりっごりの男尊女卑の世界だったわ……。

 全く下らないわ!

 この方本当に偉そうねぇ~。


「まぁ、私を支えて下さると?でしたらどの様に、私を支えて下さるのかしら。是非お聞きしたいわ」


 扇子を畳んで手を組むと、若干目をうるうるさせてにっこり笑い。

 是非、聞きたいわと期待の目を向ける。

 斜め後ろで控えて居るグレンが、私の姿を見て居るのかしらね……。

 苦笑いをしているのが横目に入る。

 ……もう気分は見世物パンダです。


「そ、それは……ぐ、具体的には、言えませんが。それでも貴女がお困りの時には……」

「困る……ですの?お付き合いして行く中で、ゆっくりお互いを知って。その時には、何かしらの問題が起きたら私を支えてくれると?」

「え!ええそうです。私なら、それができる!聞けばあの王子は、貴女を放っておいたと聞きましたが?」


 全く考えて居なかった、と言う答え方をされたわね…今。

 それに、何処から私の事を聞いたのかしら。

 あ、城内で噂されてたのね…お喋り雀は多かったと…。


「それなら……ご相談したいのですが、聞いてくださいますか?」


 今なにか相談しても絶対この方はぐらかす筈!試してみましょう!


「ええ、何なりと!ですが、今は無理なのでは?」

「そうですの、なぜかしら?」


 すっ惚けて、聞いてみる。


「今はまだ、私と貴女は会ったばかりですよ」

「あら、そうでしたわね?オホホ」


 ほら、当たったわぁ…。

 それに。当たり前の返事が帰って来たわ実に詰まらないわね!


「ですが、私と結婚を考えて頂けるなら、私は何でも叶えますよ!」

「その見返りは?なんですの」

「おや、お分かりですか?」


 そんなの、聞いてないから分かるわけが無い。

 だけど想像は出来ちゃうのよねぇ~。



 なんでこう駄目な人がホイホイと湧いて来るのかしら?

 ダメンズが多いのかしら。

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