第44話 三時のおやつと夕食のメニュー決めと新人料理人。

 アレクお兄様と一緒に今度は厨房へ向かう。

 そして、厨房の中に入って直ぐ料理長を呼ぶ。

 まぁ、恒例ですので皆さん慣れてますわね。


「料理長~!いますかぁ」


 料理長を呼べばいつもの如く良い返事が…。


「はぁ~?!」


 あら、帰って来なかったわね……それに知らない料理人さん?

 この方は…新人かしら。

 ………アレクお兄様……あ!笑ってるわ。

 口は出さないのね?


「えっと、料理長を呼んでくれないかしら?」

「あんた誰だよ?ここは、料理人以外は入っては……いって~!なにすんるすかぁ!…ひっ!料理長……」

 

 料理長…その人頭が……痛そうよ?程々に……何もお玉で頭を叩かなくても……。


「ばかっ野郎!この方はヴァンス陛下の、王妹様だぞ!失礼だろが、お前クビになりたいのか?お隣には、王弟様もいらっしゃるのに!」

「はっ……こ、これは!も申し訳御座いません!く、クビは勘弁してください!打ち首も勘弁してください!俺には家族がいてぇーー」


 と、私達にその場で土下座してる。

 五月蝿いです。

 そんなに簡単に、クビにもしないし打ち首なんてしないわよ?


「ククク、料理人さん取り敢えずどこかで、ご自分のお仕事をしててくれないかしら?私は料理長とお話があるよの」

「ったく、ほらお前はあっちで芋の皮剥きだ!」

「は、はい!すみませんでした」


 直ぐ様立ち上がって、ダッシュして持ち場に行くと直ぐに作業を始める料理人さん。

 ……まぁ、直ですわね?此からも頑張って下さいね?


「お嬢様、すみませんでした。それで、なんですかい。夕食のメニュー決めですか?それとも……3時のおやつですかい?」


 そう言いながらニコリと笑う、料理長のジンバルさん。うんイケオジ!


「まぁ、3時のおやつも魅力的ね?なら、チーズケーキが良いかしら?レモンの皮を使っても、風味がいいわよ?」

「ハイハイ、了解……!お嬢様!レモンですか?」

「ええ、そうよ?」

「それは……」


 あ!此は長くなりそうね?


「り、料理長!今日はノーマルのチーズケーキでお願い。レモンはまた今度にしましょう」

「そ、そうですかい?なら、次にでも。で、その他は?」


 フフフ、ごめんなさいね?

 でも、理解が早くて助かるわ。


「お夕食の相談なのよ?御客様に王子様がいらっしゃるでしょ?その方に、お出するお料理を考えたいのよ」

「王子様ですか?失礼ですが、アレク殿下確認なのですが?」

「なんだ、料理長」

「確か王子様は、隣国とは山に囲まれた国からの御客様でしたか?」

「そうだ、三国離れた山に囲まれた国からのお客だぞ。だが、そう発展はしてないぞ?精々リシュタール程度だ」

「そうでしたか……なら、ここの領地で出す料理は、珍しい物が多いのですかね?」

「ええ、そうみたいですわ?先日のお茶会でも、珍しくて美味しいと、誉めてくれましたわよ?」

「でしたらボアカツを乗せた、カレーライスは、どうでしょうか。珍しいですよ、あれはこの城が出来てからは、作ってないですからね。デルスタ様一家も驚くと思いますよ?」

「そうね、それなら……エビフライも別皿で出しますか?それとサラダと、スープで、良いかしら?スープは、ワカメが良いわね、ゴマを一杯入れてあるのが良いわ」

「そうしましょうか?デザートは……、柚子のシャーベットをお出ししますよ」

「なら、料理長お願いしますわ。あと、グレン!メイドにも連絡してね?」

「承知しました」

「あ!料理長」

「なんですか?アレク様」

「俺に追加で、から揚げもな」

「フフフ。承知しました。お時間はいつ頃ですか?」

「私と、王子には、6時頃お願いね?アレクお兄様達は……」

「同じで良いぞ。兄上にも伝えておくよ」

「よろしくお願いします。それで3時のお茶は、如何しますか?」

「エルサに取りに来させるわ」

「そうですか。なら御用意しておきます」

「ありがとう。料理長、今日はよろしくね」

「シア、打ち合わせは終わったか?」

「ええ」

「なら、戻るぞ」


 そしてサロンへ戻り、ヴァンスお兄様に報告をしてから自分の部屋に戻り、エルサに3時のお茶菓子を取りに厨房へ行って貰って、チビッ子達と遊び6時まで時間を潰した。



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