第70話 領地へ・・・足留め

足留め3日目の朝ですが……朝から、曇り空で雨が今にも降りそうな、そんな天気です。


「おはようございます。お嬢様、起きていらっしゃいますか?」


 メイドのエルサが扉をノックする。


「おはよう。エルサ起きてるわよ?入って来て良いわよ」

「おはようございます。今朝のお着替えは?」

「すんでるわよ?ルトもルクスもお腹を減らせてるから、今から外に行くわよ?」

「そうでしたか……?」

「さぁお外に行くわよ?ルト、ルクス」



 チビッ子達と外に出てお父様たちを探しますが……?

 まだのようですね?回りを見るとまだ使用人達も疎らです。


「どうしましょう?」


 仕事をしているメイドを捕まえて、お父様達が外に出て来たら教えて欲しいと、お願いして馬車に戻る。


 馬車に戻ると。お兄様が起きていらした。


「あら、お兄様。おはようございます」

「おはよう。シア、今朝も早いな?外でなにをしていたのだい」

「ルクスとルトに起こされましたので、外の様子を見てきましたのよ?ですが、まだ人もそんなに出ていなかったので、戻ってきましたの」

「そうか……。おいでルト。ルトおはよう」


 アレクお兄様はルトを、お気に入りのようでルトを見ると直ぐに自分の側に呼び寄せる。

 ですが……アレクお兄様、ルクスも可愛がってくださいね?


(ルクス、おいで)

《うん抱っこ!》

(あら、甘えん坊ですわね?どうしたの?)

《だって……ルトばっかり》

(あらら。そんなに拗ねないで?ほら、おやつあげるわよ?)

《うん!》


 抱いていたルクスを床に降ろして、お皿にリンゴを出して食べさせる。


 すると、アレクお兄様の手から離れてルトが私に突進してくる。


《主ぃ~。ずるい!僕もお腹すいた》


 おっと、突進は止めて下さい!痛たいですわよ?


(はい、あげるから……慌てないで)


「なんだルト……やっぱり。食欲には勝てないな?ハハハ」

「そうですわね?それより今日は皆さん遅いですわね?お客様は困ってないかしら?」

「そうだな時間は何時になる?シア」

「えっと……」


 リビングに置いてある時計を見ると7:30分だった。


「7:30ですわお兄様?もしかして雨が降りそうだから困ってるのかしら?」


 結界が張ってあるから、雨は避けれるわよ?


「私、料理長を探してきますわ?何かあったのかも知れませんし?」

「仕方ないな、なら頼むよ?ルクスとルトは私が見てるよ」

「………なら、お願いしますわ」


 チビッ子のお世話をお兄様にお願いしてまた外に出ていく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る