第17話 付き添いはアレクお兄様……やっぱりですわね?

 なぜだか、私が門に魔石を取り付けに行くと言い出すと、アレクお兄様が一緒に来ると言い出します。………本当になぜ?


「大丈夫ですわよ?アレクお兄様、私は1人で出来ますわよ?」


 まるで1人で出来るもんです……。

 なんか子供扱いですね?


「駄目だ、パトリシア。お前になにかあったらどうする!」


 何もどうもしませんわよ?


「ベルガモット領の治安は、悪くないもの大丈夫ですわよ?」


 何を言ってるのかしら…?


「駄目だ!じいさんの怠慢で、少し治安が悪く成ってる筈だ」

「そ、それは…」


 否めないのかしら。


「だから、私が一緒に行くんだよ?シア」


 …むぅ…解ぬ!


「私としては、チャッチャッと行ってパッと帰って来るのが、いちばん手っ取り早いのですが?」


 お兄様が一緒にとなると、仰々しく成って騒ぎに成りかねないわよ!


「お兄様が、来ると逆に騒ぎに成ります。ご遠慮下さいませ。それに、門に行く時間ですが、昼になんて行きませんわよ?」

「それは……駄目だろ?」

「なぜ?門番に時間を伝えて置けば、それで良いことですわよね?」

「ま、まぁ、そうだが…。しかしお前は領地に入る門までは、少し距離があるだろ。どうやって1人で行くんだ?」

「それは……(飛んで……とは言えないわね?)あっ、でしたらこれで行きますわ!」


 出したのは、以前使ったキックボードの飛べるバージョン。


「これなら、無駄に歩かなくてすみますわ」

「パトリシア、お前はこれは」

「ククク。パトリシア…君これはなにかな?私にも教えて欲しいな?」

「えっ、あっ!ホホホ叔父様これは…」


 ま、不味いわぁ……、興味津々で突っ込まれると答えようが……。


「叔父上…これはパトリシアが作った、大変便利な乗り物ですよ」


 お兄様……それは私を庇って無いわよ?

 寧ろ爆弾投下です。

 お兄様私を擁護してくれる気はありますの?

 ああもうっ、門に結界石を付けるだけの話しなのに長いわぁ~。

 そろそろ飽きてきた。


「なんと、乗り物だと!どうやって乗るんだい?パトリシア。私にも見せてくれないかな」

「叔父様……。では、どうぞみて分かるなら見てください」


 と言ってキックボードを叔父に渡して見せると、叔父の目が輝いてる……。

 あっこれは玩具を見て喜ぶ、子供を1人作ってしまったかしら…。

 色々と厄介な叔父なのねぇ…。

 この親にしてあの子供達かしら…似てるわ。

 叔母様の苦労が分かるわぁ~。

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