第24話 領地に帰る前の準備 24 魔物を保護する

アレクお兄様と、自分にも魔法掛けて汚れた服を綺麗にすると………呆れてため息をつかれた。


「お兄様?呆れてませんか?」

「いや、私の妹は、凄いなと思ってな。で?鑑定は、何と出た?」

「あ、はい…えぇっと…フ、フェンリルの子と、もう一匹が……………」


 段々声のトーンが小さくなる。


「フ、フェンリル!と後は、もう…何だ?」

「んん………ん………(言いたくない!)カーバンクル……聖獣ですわ」

「カ………………………!」


 兄が『カ』と口にしただけで、後の言葉が続かず黙って考え込んだ。


「ま、まぁ……、お兄様!このまま此処に居るのは危険ですわ?お兄様屋敷へ戻りませんか。ヴァンスお兄様達も、気になりますし……」

「だ、だが魔獣は……」

「大丈夫ですわよ?この子達がこの森に帰りたいなら、直ぐここに連れて来て離しますわ」

「そ、そうか?なら良いのか?」


 アレクは悩む……また、屋敷で一騒動あるぞこれは…………。





◇◇◇◇◆◇◇◇



 さて…この子達をどうやって、屋敷に連れて行こうか悩む…………あ!


 そうだ大きめの布を、出せば良いんじゃない?

 子犬だから余り重くも、ないでしょうし?アイテムボックスから大きめの布を出して、子犬達を布で包み抱き上げて袋に成るように、両端を縛って斜め掛けにして抱え込んだ。


「よし!これで運べますわ」



 まぁ……子犬を抱っこする、鞄みたいなのって確か日本で在ったよね?確か……。


 パトシアの行動を、ポカンとして見ていたアレクがパトリシアの声で我に返った。


「さ…さて、では用意が出来たのなら帰るぞ!シア」

「はい!お兄様」


 門番に、何て言って誤魔化そうか……アレクの苦悩がまだまだ続いた……。


 お兄様すみません……………と心で謝る。

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