第25話 領地に帰る前の準備 25 取り残されて後始末

 一方取り残されたヴァンスは、呆気に取られて固まったままでパトリシア達を見送った。


「ヴァンス様、パトリシア嬢とアレク様が慌てて何処かに、行きましたが……どうしたんです?」


 護衛に聞かれるが、ヴァンスは困った。


「私にも何が何やら、教えてほしいのは私だよ。全くパトリシアは、何を考えてるのやら……」


 取り敢えず、迎えの騎士がもう直ぐに来るそうだ!此方は此方でやる事がある!


「パトリシアの事は、アレクが居る心配ない!」

「承知しました」


 暫くすると、蹄の音と荷馬車の音が聞こえて来た。


「ヴァンス様、お待たせ致しました」

「ケイル!ご苦労だった。それで騎士は?」

「は!副隊長のダルト様を、お連れ致しました」

「ダルト副隊長か……何処に居る?」

「彼方に、居られます」


 彼方と言われた、方を見ると騎士が丁度馬から降りるところだった。

 そしてヴァンスを、見付けたダルトが慌てて近寄って来た。


「ベルガモット小隊長!お呼びと、伺いましたので、駆け付けましたが……詳しい話を聞きたかったのですが……これは?」


 駆け付けたダルトが、寝かされている人達を見て怪訝な顔をする。

だがヴァンスは、説明するのが段々面倒になり詳しくは後でと言って、駆け付けた騎士に指示を出す事にした。


「詳しくは、帰りがてらに説明する。今はあの者達を、荷馬車に乗せ教会まで連れていく」

「は、は?承知致……しました」


 ヴァンスに、指示を出されたダルトは他の騎士に指示を出し、迅速に行動を開始し王都へ向かう。


 そして、王都の教会に迄行くと保護した経緯を神父に話をし保護して貰う事にして、ヴァンスは屋敷に帰り付いた。


「腑に落ちない………パトリシア。後できっちりと説明をして貰うからな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る