第16話 リア?って誰かしら。

 残った私達家族と、叔父様に伯父様親子がそれぞれのお客様とお話しを聞いていたそうです。


 その話をここで情報を共有するとのことですわ。

 それなら執務室で話をすると、お父様が言い出したので全員で異動して部屋に入る。

 そして、ソファーに座り全員で一息付く。


 因みにグレース叔母様は、マクレイン達を屋敷に寝かせに戻ったそうです。


 ふぅーと、私以外の9人が溜め息を付いて疲れたと言います。


「リア、貴女が一番楽しそうでしたね?」

「え、私ですのクロノス様?」 


 何故か、従兄のクロノスさんが私をリアと言い出し今では、クロノスさんの中では定着してるようです。

 なぜかしら、私は許可してないけど?


「本当ですよ!パトリシアさんだけ、楽しそうでしたね?まったく此方は色々と…あのしつこい伯爵と、王子と話をしていたのに」

「そ、それは……申し訳ありません。学園時代の友人に久しぶりに会えたので。ですが、それがなにか?私はお父様からちゃんと許可を貰いましてよ?」


 貴殿方から文句を言われる筋合いは無いわよ!


「シアが楽しそうにしていて、何が悪いのだ?お前達。少し自分の立場が、分かって無いようだが?」


 私達の方が立場は上だと、お兄様が言いたいのを分かってるのかしら?


「う!それは………アレク兄さん失礼を。ライアン、お前お詫びしろ」

「すみません。パトリシアさん」

「いえ、気にしませんわよ?ですが……貴女方御兄弟達は、私をなんだとお思いですの。この際ですから、ハッキリ聞きたいわ。確かにクロノス様、ライアン様は私より、お年が上ですが。その馬鹿にした態度は何故かしら?それに、弟君のルシスさん。あの方の態度は?伯父様どういう事ですの?」


 ここはしっかり聞きたいわ。


「それは、すまない。パトリシア……息子達は君の美しさに照れてる様だ」


 なにを言ってるのかしら?


「はあ?どう見ても敵意ですよ伯父上。戯れ言は良いですから、正直に言って下さい。お答え次第では、唯ではすませませんよ?」 

「……いや、本当に何もないと思うぞ?私は何も聞いてないしな?息子達に聞いてくれ」


 あ!伯父様、丸投げしたわね?

 お父様とお母様に叔父様も、のんびりお茶してないで!なにか言ってくださいませ!


「なら、聞こうかな?私の妹の何が気に入らない?クロノス!ライアン」

「そ、それは。私は別に、気に入らない訳ではないです」

「そうか?なら何故突っ掛かる?」

「い、いえ。パトリシアさんが、リシュタール国の第三王子と婚約破棄しなければ、私達はこの領地に来る事もなく、済んだのではないかと………」

「ほほぅ…お前達は、私の考えに意義があると?」

「い、いえ、父上そうではなく!現況となった令嬢が!」

「ほぅ……全部、シアが悪いと?」

「伯父上子供達には、何と言ってパトリシアの事を伝えてますか?」

「い、いや、それは……。パトリシアが第三と婚約を解消したと、聞いたのでな?そのままを……え?違うのかい?」

「………違いますよ?そんな話しは、誰から聞いたのか知りませんが全く違います。むしろ此方は、被害者だ!パトリシアを物のように扱って捨てたのは、あの国の王子と国王達だ!勘違いしないで頂きたい!」


 あ、思い出しちゃったわ。

 全く思い出したくもない。気分が……悪い。

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