第6話 これからの話を………そろそろ……できませんね?

 な、何ですの?お祖父様?私はなにも悪くは無いわよ?


「な、何でございますか?お祖父様?」


 思わず怖くてお母様に抱きつく。


「貴方!それでは、パトリシアが悪い事をしたみたいですわよ!何て気の利かない、お爺さんなのですか!もうちょっと労りの言葉はないのかしら?」


 お婆様がフォローしてくれましたわ。

 良かったわ、優しいお婆様なのかしら?


「おぉ!済まんな?パトリシア?暫く離れて居たのでな?しかもあの馬鹿国王の息子に婚約破棄をされたと聞いてな?パトリシアそれは真実か?」

「ええ、お義父様。本当ですわ!パトリシアが長年王家に通って、耐えて来ましたのよ?それを意図も簡単に婚約破棄などと!私は悔しくて!ねえ貴方!」


 えっと………お母様?私に声を掛けられたのに私が答えなくて良いのかしら?


「そうですよ。私達の目の前で婚約破棄を言い放ったのですよ!あの馬鹿王子は!」

「それで………その馬鹿は?如何した!アデスよ」

「奴隷に落として来ましたよ!二度とパトリシアの目の前には、姿を見せる事はないでしょう。それに国王にもこのように!契約書を書かせて来ましたよ!」


 お父様が国王に書かせた契約書をみせる。


「どれどれ?」


 目を細めて契約書を見辛そうに、お祖父様が見てるので………ちょっと手助けをします。


「あの?お祖父様?失礼ですが……字が見辛いのではありませんか?」

「何だ、パトリシア?ワシも、もう年だからな細かな字は見え辛い!」

「でしたら、これを使って下さいませ?」


 と渡したのは虫眼鏡!眼鏡は、度が分からないから虫眼鏡にしました。


「なんだこれは?パトリシア?」

「これは……ほら、字を大きくする物ですわよ?ほらお祖父様?大きく見えませんか?」


 契約書に、虫眼鏡を当てて大きさを調節して見せるとお祖父様が驚く。


「おぉ!これはいいな!字が大きくなる。便利だ!流石私の孫だ?お前は幼い頃からそうやって、人が困ると便利な物を出してくる!一体どうやって便利な物を思い付くのか………不思議な娘だ!」


 そ、そうだったかしら?まぁどこでもやらかしてるのね………私。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る