第7話 やっと始まりますわ!

 私が、便利グッズを出してお祖父様に渡してしまい話が中断してしまったのを、お父様が無理やり話を元に戻す。


「ま、まぁそれで、父上。これをお読みになってください」

「そうだったな?どれ……………………………」


 お祖父様が、契約書を読む間………家族全員無言で目の前に出されたお茶を飲む。


 そろそろ、チビッ子達を出してあげないとなぁ~。とぼんやりと考える。

 すると、お祖父様が声を上げて笑い出す。


「ワハハハ!これは、なんと!愉快な!よくやった!アデスよ!ワハハハ!」


 契約書を読んでいたお祖父様が突然笑いだしました。


「ど、どうしましたか?父上?」

「そんなに、大笑いする内容でしたか?お祖父様?」

「これを、笑わずになんとする。アデス、ヴァンスよ!あの忌々しい!国王一家から縁が切れたのだぞ!ワハハハ!愉快愉快!」

「貴方、そんなにですの?」

「あぁ!ほれお前も見るが良い!」


 そう言って、契約書と虫眼鏡をお婆様に渡す。

 するとお婆様もお笑いになる。


「フフフ!よくやったわねぇ!私達から可愛孫娘を奪ったのですもの………此くらい痛い目を見て貰わないとですわね!」

「ま、まぁ何にせよ。これであの国王との、縁がき切れした。これからは私達が一国を、興す事になります。父上、力をお貸しください」

「ワハハハ!良かろう!ワシも、その言葉を待ち望んで居たのでな?準備万端だ!」


 任せろとお祖父様が仰います。


 私は、余り関与しない方が良さそうですわ!この領地?でゆっくりしたいのです。


 黙って、色々考えていたらお母様が私に声を掛けてくる。


「パトリシア。どうしましたの?そう言えば……チビちゃん達は?」

「何でもないですわ?お母様。ルト達はそろそろ、お腹が空く時間ですねぇ~」

「まぁ!それはいけないわね?難しいお話は、お義父様達に任せて、私達は食堂へいきましょう?」


 やった!そろそろ、チビッ子達が待ちきれずに勝手に出て来てしまいますものね?


「ええ、お母様そうしたいですわね?お父様宜しいですか?」

「ああ、構わんよ?私達は少し話す事があるからな!ゆっくりしてると良い」

「ありがとうございます。では私達はこれで?お祖父様、お兄様達もまた後で?」


 ソファーから立ち上がり、お母様ともちろんお婆様にもお声を掛けて食堂に向かいます。

私は、場所を覚えていないのでお母様の後を付いて行きます。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る