第3話 後ろ楯の申込?そんなものは要らないわ!

 ベルガモット領地に来られたルヤス王国の国王様が、私達の公国の後ろ楯に成って頂ける…とそう仰います。

 まぁ、それは私がジークフリード殿下と正式な婚約と、結婚をすればの話しなのか?

 それとも、それとこれとは別の話しなのかは……分かりません。

 それに、私としては婚約もしませんし、後ろ楯も必要ありませんが……。

 私達はただ、穏便にこのお二人がお帰り下さればそれで良いのです。

 多分お父様やお兄様達もそう思ってる筈です。


「そ、それは願ってもない申し出ですね。寧ろ、有難いとはも思います。ですが、未だ公国を立ち上げるには、少し時間が掛かりますので。是非その時には、宜しくお願い致します」


 口から出任せが、ホイホイ出てるけど…お父様……?お顔が引つってますわよ!

 頑張って!ポーカーフェイスですわよ!


「そうか?それでは何でも言ってくれ!力になるぞ。それにしても……この領地は、暖かいのだな?我々の領地はそろそろ寒くなる。実に羨ましいな」

「この辺りの土地の気温は、年間気温が変らないのが特徴的ですので」


 一年通して平均の温度は、寒くても13度位です。暑くても25度前後位かしらね……。

 ちなみに温室の温度は、平均温度は18度~20度目安です。

 そのうち蜂の養蜂でも手掛けましょうか?

 フフフそれは良いですわね、後でお父様と相談かしらね。

 あら、考えが飛びましたわね。


「それは良いですなぁ~。ところでジーク!」

「なんでしょうか?父上」

「屋敷を、建てる土地は決まったのか?」

「いえ、未だですよ。父上……未だ此方に到着して日が浅いのですよ。簡単には決まりませんよ!」

「それなら、候補地の下見をしたいな。私が滞在できるのは明後日迄だしな」

「そ、それは……難しいですよ。第一未だ、購入する土地すら目星を付けて居ませんよ。下見にも未だ行けてませんので」

「そうなのか……それは残念だ!」

「で、でしたら父上!この城にある温室を、視察させて頂いたら如何かと?良いでしょうか?ヴァンス殿」

「ええ、構いませんよ。私とパトリシアが動向しましょう」

「おお、そうか!なら、温室とやらを見せて貰おうか?」

「ええ、温室の中の果物は見たことがない物でした!それを口にすると実に旨いんですよ」

「ほほぅ…それは興味深いな」


 なにを勝手に言ってるのかしらこの親子は?

 ま、王子は土地の話しを、はぐらかしたいだけなのでしょうが。

 貴族街に屋敷を建てたいとは聞いていたけど、屋敷を建てる土地は、未だ決まって無かったのね?

 それはそうでしょうね?

 此方へ来られて未だ日が浅いもの。

 イリアや、マリエール達も土地を探してるらしいし。


 あ!言い忘れて居りましたが…イリア夫妻マリエール夫妻は、この土地に移り住みたいそうですわ。

 今は良さげな土地散策中らしいですわ。


 あの二人の旦那様は、次男と四男坊らしく跡を継げないらしく困って居たそうなのです。


 そこで、ベルガモットの領地へ移住をと考えたらしいわ。

 わざわざお兄様に、イリア達のお父様達が嘆願したそうです。


 と…話しが脱線しましたわごめんなさいね?

 ………あら誰にかしら?ホホ。


 ええっと……話しを戻しましょうか?何でしたかあぁそうそう……温室でしたか?

 ……まさか殿下はご自分の国に、あの温室を作りたいのかしら?


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