第2話 怪しい国の国王様は親バカだった?

 ルヤス王国の国王が、ベルガモットの領地に数人の護衛だけを連れてやってこられました……。

 これは…お忍びでの来日になるのかしら?


 さてさて、この後どうなるのかしら本当に何をしにきたのでしょうか。


「さぁどうぞ此方へお座り下さい」


 貴賓室に御案内したのは国王陛下と、ジークフリード殿下に新しく来られた殿下の執事と陛下の護衛の二人です。


「あぁ失礼するよ。それにしても……いきなり訪ねて来てすまなかった。息子のジークが、此方で世話に為っているのに。息子は迷惑を掛けてませんかな?」

「父上!私はもう子供では無いですよ!」

「だがなぁ~お前に付けた第二のほれ……何と言ったか?」

「あぁ、ロミノですか?」

「あぁ、それだ。その者が、此方のご令嬢に無礼な事を申したと、聞いているぞ!」

「それは……父上。ま、まぁ、その事は後で私と話しましょう。アデス殿達も居ますゆえ」

「おお、そうであったな。アデス殿此度は大変申し訳なかった」

「い、いえ。お気に為さらずに。どうぞ我が屋敷でお寛ぎ下さい。部屋は御用意してありますので」

「そうか?それはすまないね?それで今回ここに訪ねたのは……。此方のご令嬢、パトリシア嬢の話を息子からしつこく、聞かされてましてな?」

「はぁ……娘の事をですか?」

「あぁ、幼少の頃より息子が熱心に話していてな。今回は誠に失礼だが、彼の王子と婚約を解消したとこ聞き及んでな?」

「はぁ……それで此方にジークフリード殿が、此方にこられたとの事は、聞き及んで居りますが……」

「ハハハ、まぁそうだな。それで私も顔を見たくなってね?もしかしたら、私の娘に成ってるくれるのだからな。一度は顔を見ておかないとな」


 な、なんだかとっても失礼な事を言われてる気がするわ……。


「ち、父上!パトリシア嬢に、失礼だ!」

「お、おっとすまんな?ジーク。だが私は嬉しいぞ!先日の報告では、兼ねてからのお前の願いが、叶ったそうでわないか!」

「い、いえ、未だですよ?何を勘違いされてるのですか!私は未だ返事は貰ってないです。全く勘違いで他国の領地にお忍びで来るなんて!……父上の勘違いで、喜んでどうするのですか!」

「なにを言ってる?私の勘違いだと!だがな、お前がどの縁談も事ある事に、断り続けて居るのを長年見て居るのだ!心配にも成ろうよ。ん?」


 お、親バカなのかしら?この王様……。


「ち、父上……もう少し押さえて欲しいのですが……」

「ま、まぁジーク殿お気に為さらず。まあ此方へ折角来られたのですから、何もありませんが…ごゆるりとしていかれて下さい」


 突然の訪問の理由は、パトリシアが王子との婚約を承知したと勘違いでここ迄来たと?

 馬鹿を謂うなよ!私の娘はこんな怪しげな国の王子に等嫁がせんわ!舐めおって!


「それはすまんな、それなら私が滞在する期間で、話の場をも受けてはくれぬか?」

「そ、そのつもりです。その時は宜しくお願い致します」

「まぁ、そんなに頭を低くしないで欲しい。この領地は近々、公国に成ると聞いて居るぞ?」

「まぁ、そうですが……。未だ発表するには、時期が早いのですがね?近いうちにそうなりますな」

「それでは、同じ国王同士ではないか!ワハハハ!何の遠慮も要らんぞ!息子をこの領地に置くのだ。我が国の後ろ楯は確実だぞ!」


 おっと……そう来ましたか……。

 怪しい国はの後ろ楯なんて…怪しすぎるわ。


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