閑話 国王side 9 王子ざまぁ カウントダウン 9

 だが先ずは、こいつ!ルーベルトの処分だ!それとあの娘の処分もだ。

 とりあえず、素性を調べるのが先だが……ルーベルトが、逃走するかも知れないな……?


 野放しは不味い!

 かといって、普通に王宮に居させる事はもう出来ない。


 罰も与えないと、本人が付け上がるだけだ。


「ダラス!」

「如何致しましたか?陛下」


 側に来たダラスに、小声でルーベルトの耳に入らないように話す。


「ルーベルトを、城の別棟の牢に幽閉しろ」

「承知しました。少々お待ちを、只今騎士を連れて参ります」

「頼む」


 こそこそとなにやら、父がダラスと話しているな?

 あぁ、そう言う事か!


(兄上)


 クレールが、後ろを向いてハインツを小声で呼ぶ。


(何だ?)

(どうやら父上が、覚悟したようですよ) 

(ん?覚悟?あぁ)


 ハインツがちらりと、父とダラスの行動を見て覚ったみたいだ。


(楽しみだな)

(本当にですね)


 上の兄達は、ルーベルトの事を煩わしく思って居た。まぁ、日頃の行いを見聞きしていれば、当たり前ではあるのだが。



◇◇◇◇◇



 暫くすると、騎士団長が隊員を数名連れて執務室に入って来た。


「失礼致します。陛下!お呼びと伺いましたので、参上致しました」


「待っておったぞ騎士団長、そこの罪人を牢へ幽閉しろ」


 罪人と聞き何処に居るのか、が分からず聞き返す。


「は?罪人………ございますか?陛下?」


「そうだ、そこにいるだろう?ルーベルトという罪人が。あとこやつの側近の護衛騎士数名も、引っ捕らえ牢にぶち込め」

「罪状はそうだな……国家予算の横領だ!後は……先程こやつに脅迫されたな?脅迫罪も追加だ!」


(何を言ってるのだ?父上、私は悪くないぞ?なにもしていない!)


「父上?」

「なんだハインツ?」

「後、無銭飲食ですよクックッ」


(そ、それは食べるのに金が懸かると、聞いて王家に請求しろと言っただけだ!)


「ルーベルト、国王陛下を脅したんだ罪は軽くないぞ?覚悟しろよバーカ」


(脅すなんてしてない!)


「だ、そうだ!あ……後!不義罪だ! ハハハ!馬鹿が調子に乗りおって!」

「ば、馬鹿?ふ、不義罪?何ですかそれは父上?」

「今の思い付いた!ワハハハ。みっともなくて良いだろう?馬鹿に持って来いだ!なぁ妃よ」

「全くお似合いですわね、ルーベルトさようなら」

「後程、お前の真実の愛の相手も、牢にぶちこんでやるぞ喜べよ?お前は、王族から除籍する」


(王族から除籍?なんだそれは?)


「ち、父上、母上?な何を言ってらしゃるのか?私には分からないのですが・・・何故私が罪人などになるのですか?」

「今、罪状を述べたろ?さっ、バルカン罪人を引っ立てろ!」

「は!おい、立て!」


 騎士二人でルーベルトを抱えて、引きずるようにして執務室室から出て行こうとするが、ルーベルトが暴れる。


「ええい!私に触るな!父上!これは何かの間違いです。私は何もしていない!何故こんな無体を受けなければ行けないのだ!ふざけるな!触るな!!」


 必死に抵抗力をするが、日々鍛練を続けている騎士がヒョロガリの男に、負ける訳もなく両脇をがっしりと、捕まれたら抵抗は虚しく連れていかれた。


 とりあえずこれで、一旦終いにするがこれからだな。


「ダラス」

「はい、陛下?」

「影に、ルーベルトが申していた子爵令嬢を、調べる様に伝えろ。そして分かり次第報告しろ、早急にだ分かったな!」

「畏まりました」


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