第25話 言い訳

 私がルトとカイにルクスを抱き上げると、マクレインが羨ましいと言い出す。


「お姉様ぁ~いいなぁ……」

「え?何が良いの?」

「だって、お姉様いつもこの子達と居られるでしょ……」


 こ、これはまた………そんなこと言われても……。


「そうね?森で出会ったのよ?この子達とは」

「えっ森でですか?凄い!僕も森に行きたいです。お姉様連れて行って下さい!」


 う!失言したしまったわ!NGワード出してしまった……。


「ええっとね?マク………」

「それは………駄目だよ?マクレイン!」


 あら、聞き覚えのある声ですこと………?

 御機嫌は直ったのかしら、アレクお兄様。


「あっ!アレクお兄様だ!どうしてですか?僕もリズみたいな猫が欲しいのですよ?」

「ね、猫……シア……お前また!そ、それにその栗鼠は?シア!」

「アハハ、ごきげんよう?お兄様。御機嫌斜めは、真っ直ぐに直りまして?」


 ば、バレたしかも一番五月蝿いお兄様にバレた…困ったわ。


「まっ…まぁな。では無いぞシア!また眷属増やして!」


 あら、御機嫌云々はスルーですのね?


「ええ~でも、普通の猫と栗鼠ですわよ?」


 アレクお兄様の側に行って、小声で言い訳をします。


(お兄様、普通の動物ですわよ?魔獣ではありません。それに私が見つけた訳ではなくて、ルクス達が連れて来ちゃったんです!)

(シア……お前!だ、だが……魔獣じゃないんだな?)


「はい!それは本当にですわ。フフフ」

「全くお前は……私が目を離すと直ぐに……」

「い、嫌ですわ?お兄様!私はそんなにあちこちで…………やらかしてますか?」

「ああ、尻拭いが大変だね」

 ニコリと笑いますのね…むぅ…理不尽です。


 それにゾクリと寒気がします………。

 こ、ここは取り敢えず謝る?


「アレクお兄様、申し訳ありません」

「フフフ。分かればいいよ。で?今晩はピザパーティーだと聞いたが?」


 またお前か?と言いたそうな顔をしてます……。


「はい!僕が、お姉様にお願いしました。そして、お父様が許してくれました!」

「は?」

 元気に手を上げてはい!と言い訳を話してくれるマクレインです。

 これには助かりますが…。

 アレクお兄様が私に何故と聞きたそうな顔をします。

 知りませんよ?言い出したのは私ではないです!


「マクレイン?お前が、かい?」

「はい!あっ、料理人さんだ!」


 バタバタと、料理人の側迄走って行きます!

 あれは……止めて戻るように言わないと……。


「…………プッ、ククク」

「な、なに?お兄様、なにか?」


 何故笑うのかしら?


「ククク、嫌。あれをみてると、幼い頃のパトリシアを思い出す。私と余り年が離れてないから、ずっと一緒にいたけれど。お前はお転婆で……。家に居ると、必ず何かしらに興味を持って。ああやって走って行って、不思議だからと言って、誰にでも質問責めにしてた気がする」


 マジですかぁ~そんなことしてましたかね?


「そ、そうでしたか?それよりも、マクレイン止めないと!料理人達が困ってますわ」


 周りを見ると、人がポツポツと集まりつつあるわね?それに外薄暗くなってきたわ!

 灯りはどうしますか?


「お兄様。取り敢えずマクレインを、連れ戻して来ますわ!それから灯りはどうしますか?」

「灯りね?そうだね……篝火を灯すかい?」

「おまかせしても?」

「あぁ、わかったよ」

「では、ヴァンスお兄様とご相談して設置をして下さい。お願いしますわ。私はこの場所にデーブルでも出して、マクレインとここに居りますわね?」

「わかった」


 そう言って、アレクお兄様はヴァンスお兄様を探しに行ってくれた。

 私はマクレインを連れてこないとですわね?


 ふぅ………疲れます。



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