第20話 あぁ、義弟でしたか?

 ええッとなにをするのでしたか?


 迎賓館の改造工事

 空いた土地に生息する、魔物や動物達の選別と討伐に…それと区域分けでしたわね。


 区域を分けたら、木々の間伐をしましょうか?

 それから、土地を分けるでしたか?

 そこはお父様にまかせましょうか?

 どうせ伯父様達が、此方来るのでしょうから。

 土地は、余らせて置いた方が良さそうな気がします。


 それから、お迎えする貴族達の選別に魔石の強化をしに行く。


 それと?あら、それなら温泉施設作っても問題無いのかしら?

 ……でも何処に?温泉て地中を掘るのよね?源泉探し?………無理!却下!


 なので言わない方で、黙って居ましょう!

 フフフ言わぬが華ですわね、利用されそうですもの。


 する事がちゃんと決まって、家族全員で…しかも伯父夫婦も入れて、まったり団欒中です。

 ちび達が居ないので余計にまったりですわね。


 前はこんな事があるとは思わなかったわね。

 こっちに帰って来て良かったわ。

 少し?トラブルはあったけどね。


「そう言えば、母上?」

「なんですか?アレク」

「伯父上達が此方へ向かってると、父上から伺いましたが。何名程で、此方へ来られるのですか?」

「あら……えぇっと何名だったかしら?少し待って頂戴な、お手紙頂いてますのよ。……あ!そうそう30名程で来る予定よ?」

「30名もですか?母上」

「ええ、それはちゃんと話したわよ?アデスに。ねぇ~貴方、ちゃんと確認したわよね」

「え?し、たか……な?済まない。マリーン、ここのところバタバタしていたろ?もしかしら、記憶が抜けてるのかも知れない。すまんな、もう一度話してはくれないな?」 


 それだけ言うと、お母様から目を反らして額からじんわりと滲み出てきた汗を、焦って拭いてるわ。


「ハァ~。貴方……本当に、私の話しは聞いてくれないのね?ここに来るまで、色々なお話しを貴方にしましたが。その様子だと、殆んど覚えていない様ですわね?」

「お母様?先程伯父様のお話を、お父様に確認したら知らないと、仰っておりましたが…それは?」

「パ、パトリシア?それを言うなぁ!」

「まぁ、貴方!知らないなんて!私はちゃんと話したわよね?ねっね!」

「す、すまん……マリーン。覚えてないんだ、確かに義兄殿には、手伝いをして貰いたいと打診したが…。…その返事が未だだったろ?」

「…あ、あら、そうだったかしら?ですがお義兄様一家は、此方に向かってるわよ?もう!」


 ぷりぷりと、お母様が怒ります。……これは……本当に不味いわね……?

 でも、打診をしたお父様に返事もせずにこっちに向かってる?

 なにそれ?信じられないのだけれど…。

 それに、此方へ向かってる叔父様達30人ですが移住?

 どうするのでしょうか、そこを聞きたいわね?


「お母様?ルベルス伯父様達は、此方へ移住なのですか?」

「あら、そうよ?決まってるでしょ?お姉様が近くに居ると話し相手に困らなくで良いわぁ~」

 と呑気に仰いますが……そうでしたか。

 決まってたのね…知らなかったわ。


「で、でしたら彼方の領地は?」

「彼方は義弟に、任せたらしいわよ?」


 伯父様が、領地の跡継ぎですわよね?

 何故その長が此方に移住してくるのかしら、不思議……だわ?


「は?弟にですか。母上には、下の弟が居たのですか?」

「いやぁねぇ~違うわよ?お義兄様の弟よ!義弟の『アルベス』さんよ。忘れたの?アレク」


 嫌、私も多分ヴァンスお兄様も、認識が無いわよ?初耳ですわお母様。 

 ……伯父は一人としか認識無いわよ。

 しかも私は、お二人にお会いした事が無いので全く知らないわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る