第8話 ~ 静観するパトリシア 8 ~

 すみません。ここは少し、残酷なシーンが含まれます。苦手な方はさらっと流して下さい。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「さぁ~では、ここで奴隷紋を刻みますよ。ヒヒヒッ。おい!入ってきなさい。ヒヒヒッ」


 すると背が高い男二人が、中に入って来てエミリアの両脇に立ち、暴れない様に両腕を押さえ込む。そしてマルコシアスが、エミリアの着ていた服を胸元まで切り裂くと、胸に奴隷紋を魔法で刻む。


「い、嫌よ!嫌ってんだろやめろー!!

いやーーーーギャーーー!!」


 痛みで気絶をするが、直ぐに顔を殴られ意識を取り戻させた。

 同じ様に、ルーベルトにも男達二人が動かない様に押さえて、胸に奴隷紋を刻み付ける。


「やだ、やめてくれやだ…………いやだーーー!!ギャーーーいだぃーー」


 ヨダレを垂らして、ハアハアと荒い息をするルーベルトは、放心状態で動かなくなった。


「ヒヒヒ陛下、これは仮の紋です。買い手が付きましたら本来の、紋が付きます。其迄は私の言う事に背くと、紋が制約を破ったと見なし、体に激痛が走ります。私の命令に背き続け耐えられなければ、その場で……です。お分かりですか?ヒヒヒッ」


 指で、自分の首を横に引く!


「お前達も聞いたか?こいつに背くと死ぬってよ?せいぜい13年頑張れ!まぁ~生きていたらまた合うこともあるか?なぁ?」

「ハインツ兄上、分かりませんよ?この馬鹿は人の話など、碌に理解もしないのですから……」


 其が最後の、兄達からの辛辣な言葉だった。

 国王夫妻は、何も言わなかった。

 案外冷たいのね?可愛がって居たわよね?

 すると、エミリアがルーベルトを蹴り付けた!


「あんたが悪いんだ、どうしてくれるのよ!あたしはこれから、アルバン様を探すんだから!返せよあたしの人生!!このくそヤローが!!」

「ウッウッ、痛いいたい……パトリシア助けろーーーー」

「ヒヒヒッ、お前。黙りなさい、ヒヒヒッ」

「この!くそジジイ!!煩いわね!あんた、あたしのこのキモイ印、取りなさいよ」

「黙りなさい!」

「うる……ギャーーー痛い」


 エミリアが痛いと言って、のたうち回った。


「分かりましたか?ヒヒヒヒヒッ。私に背くと痛いですよ?ヒヒヒッでは陛下。こいつらが売れましたら、また伺いますが。ヒヒヒッ取り敢えずの、金が大銀貨5枚ですね……」


 無礼極まり無い事だが……大銀貨を国王陛下に直々に渡した。


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