第27話 あ!私も食べます。

「お父様達。お疲れ様ですわ。お父様達はお仕事は終わりですか?」

「お!パトリシア、お前こそ疲れたのではないか?急に料理なんて作って、どうしたのだ?」

「急に…………ですか?」


 あら、お話しをはぐらかしたのかしら?


「ああ、そうだろ?この領地に来てからはあまり、料理等してこなかったろ」

「そう……でも無いですわよ?色々城の厨房には、お顔を出してあれこれ言ってましたけど?」


 でも、伯父様達が来てからはしてないわね?


 お父様にお願いをして、この土地に屋敷を建ててしまったから、こちらの屋敷が私のテリトリーになってるし。その内に別の土地に屋敷を建てたいし。


「まあ、父上その話しは良いのでは?シア、今日は何が出るんだ?お前の料理は旨いからな」     

 ニコリ。


 で、出たわ食欲魔神が!フフフ。


「なんだ……シア」

「いえ、お兄様は変わらないわね?と思いまして。あ!ほら、お料理運ばれて来ましたわよ?」


 料理長と使用人達で、料理を運んで来てセッティング中です。


「おお、楽しみだ!さっそく頂こうか」

「でしたら、お好きな物を取る形にしてますから。お好きな物を取って、御食事なさって下さい」

「ああ、そうしょう」


 そして、作業中の料理長に話し掛ける。


「料理長、今日はありがとう」

「お嬢様!ありがとうございます。また勉強になりましたよ」

「そう?あ!飲み物は、どうしますか?お酒は、用意しますか?」

「どうしましすかねぇ~。明日も、使用人は仕事の奴らばかりです。飲むと、見境なく飲みますからね。今日はアルコールは、無しの方が宜しいのでは?」

「あら、そうなのね?なら、飲物は冷たいお茶かしら」

「そうですね……そうしますか?」


 料理長と話しをしていると、アレクお兄様が話し掛けてくる。


「シア……酒はないのか?」

「フフフ。お兄様?ここは私の屋敷ですから、お酒はないのですわよ?」

「お、そうだったね?城の料理では、なかったな……」


 あら、お兄様達は……お酒飲みたいのかしら?


「料理長、お酒…持ってこれる?」

「フフフ仕方ないですね?持ってきましょう?アレク殿下は、ワインで良いでしょうか」

「ああ、すまないね。少し持って来てくれないか?私ととヴァンス兄上の分だけでいい」

「はい、承知しました。持ってこさせますよ」

「おやおや?お酒……私にも貰えないかな?それに。宰相殿も多分、飲みたいと思うのだが?」

「……そうですわね?ですが明日も皆様お仕事ですわよね?宜しいの叔父様?」

「別に一、二杯なら構わんよ。なあ?宰相殿もそう思わないかい?」

「……ええ、少し頂けますかな?こんなに美味しい食事に、酒がないのはどうにも…」

「ち、父上!少し控えてください。ここは城ではありませんよ?」

「そうでしたな、これは失礼を王女様」

「フフフ別に構いませんわよ?ルドルフ宰相様に、ダルト様。是非食事を楽しんで下さい」

「ありがとうございます。王女様」


 宰相親子が深々と頭を下げてくる。

 何とも……慣れないわね……。


 それから食事進むと、今度は子供達が私に話し掛けて来たわ。

 これはまた面倒…。


「パトリシアお姉様!」

「お姉さま!」

「な、何かしら?マクレイン、ジョシュア?」

「お姉様!グランとホワイが居ません!」

「チビ達がいないの?」

「うん!居ない……」

「あら、そうかしら少し待っててね?」

(ルクス!)

『主人なんですか?』

(グランとホワイは?)

《ここにいるよ?》

『いるよぉ~』


「ワン!」


 と、ルクスが鳴く。鳴いた方をみると。

 あっ!あんなところで、お兄様達と……。


「マクレイン、ジョシュア、あそこに居るわほら、行ってらしゃいな?」

「「あ!本当だ!」」

「お姉様ありがとう!」


 それだけいうと、パタパタと走ってお兄様の所へ走って行った。

 良かった……また拗ねられるのは困るもの。


 さあ、私もお食事をしましょうか?



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る