第30話 ルクスと、ルトの遊び場 4

《ねえねえ、あるじぃ~!だめぇ~?ぼくリスク君と遊びたいよ~?》

「遊びたいのは、分かるけど……その子は?ルトといたいの?お家はないの?」

《おうちは、あるよ?その木の上だよ?》


 はぁ……木の上ですか?

 あぁ、リスだものね巣穴は木の中よね?


「ルクス?子猫は?なんで君の妹なのかな?」

《この子、あっちの方で一人で泣いてたの!だから、ぼくがお兄ちゃんになってあげたの!》


 その返事を聞いて私は頭を抱える。

 あ~!これは………言っても聞かない感じだわねぇ~どうしましょう………。


《主!ぼくお腹すいた!リス君もだって!》


 あぁもう!人が悩んでるのに……この子達はマイペース……なんだから!


「パトリシア?何かイライラしてないかい?オーラが殺気立ってるが……?ルトなんて言ってるのだい?」

「殿下………(貴方も呑気でしたね………)ルトは、お腹かがすいたそうですわ」


 まぁ、位置的に人事でしたわね………。

 さて、どうしましょうかしらね?


「ルクスもお腹すいたの?」

《うん!妹もペコペコだって!》


「あぁ………そうなの………?殿下は?お腹すきまして?」

「え?あぁそろそろ昼食の、時間かい?」


 そうですわね?

 何時なの?ドレスのポケットから懐中時計を出して時間を確認する。


「もう、お昼過ぎてるのね?」


 時間を確認して、また時計をポケットに仕舞う。


「パトリシア?」

「なんですの(嫌な予感……)殿下?」

「今取り出したのはなんだい?」ニコリ。


 えっとなんで笑ってるのかしら、懐中時計出しただけよね?


「………殿下は、ご存じ有りませんの?」


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