第6話 領地へ
領地へ出発する前日に、屋敷でのバタバタも落ち着きやっとまったりと、サロンで飲み物とお菓子を摘みながらチビッ子達と遊んでいたら突然嵐がやって来た。
「パトリシア!何故あれは、あぁなの?」
鬼気迫る勢いで、目の前に顔を近付けてなにやら聞いてくる。母、顔が近いです!一緒に遊んでいたルクスと、ルトも、ビビってますよ!
「す、すみません。お母様、何を仰っていられるのか全く、意味が分かりませんが?」
顔が近い!近いですわお母様!
「何って!貴方の乗る馬車の話よ!」
あ!バレましたかぁ~何処がバレたのかしら?でも惚けますわよ?面倒ですもの。
「馬車ですか……何故とは?」
「もぉパトリシア!あのメイクルームよ!」
あぁ!あれに引っかかりましたか………。チッ!バレないと思ったのに、隅々まで見られましたね………鍵掛けとけば良かったですわねぇ~。
「メイクルームですか?お母様のリクエストが無かったので………」
「リクエストしないと、作ってくれないのぉ?何故かしら?ねぇパトリシア?ねぇ………」
こ、怖い!やめて下さいお母様怖いですわよ!
「わ、分かりましたわ、お母様。後でお作りますから、凄まないで下さいませ」
圧が半端無いですわよ!怖いです!
「本当に?パトリシア絶対よ。ね?あ!あと」
「ピッ!何ですか?あと何でしょうか!」
ひっ!がピになってしまった……あぁ私って……。
「化粧水!無くなりそうなのよ、あれもお願いするわ」
け、化粧水ですか……お願いですから脅かさないで下さい。ビックリしたわ。
「ならば、後でエルサに届けさせますが……明日はもう移動の日ですわ?旅先でのお渡しも出来ますが、どう致しますか?お母様」
「あら、そうでしたわね。ならば旅先で頂こうかしら?ねぇパトリシア?」宜しくて?
「なら、使いたい時に仰って下さいませ?直ぐにお渡し致しますわ」
お母様それで宜しいでしょうか?と言ったら満面の笑みで宜しくねと言われた。
「ええ、パトリシア。その時は宜しくね♡」
あれがないと困るよの。と言ってサロンを出ていった。
すると膝に乗ってまったりとしていた、チビッ子が私の顔を見て言った。
《主、ママさん怖かったねぇ~》
《うん!ご主人のママ怖かった……》
(私も怖かったよぉ~ルクス、ルト癒してぇ~)
と、言って二匹をモフモフして抱きしめた。
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