第32話 テイム

 クレマンド殿下と、ルクス達を城外の森から無理やり城のテラスまで連れて戻ると、グレンを呼び寄せてそのままテラスで昼食を取る事にする。


「グレン?」

「何で御座いますか?パトリシアお嬢様?昼食のお時間がすぎてますよ?」

「そう!それよ!お昼頃ごはん!グレンここまで全員分持って来てくれない?お天気が良いものね?」

「………わかりました。少々お待ちください?ルクス達の分もですか?」

「ええ、お願い。あ!後は、一肌に温めたミルクを少し持って来て?」

「は?ミルクですか?」

「ええ、お願いね?」

「はぁ………承知しましたが……パトリシアお嬢様?また何かしましたか?」


 なっ…なんて、感が良いのかしら……ね?

 でもここは、シラを切らせて貰うわよ?


「さ、さぁ?何の事かしら。さぁ、グレンお食事持って来て頂戴?殿下もお待ちよ?ねっ?」

「はぁ~わかりましたよ」


 それだけ言うと、グレンは厨房に向かってくれた。


「殿下?昼食が届くまで、ここでお待ちくださいね??」

「あ、あぁ。それで?パトリシア?あの時計だが……?」


 また、その話をするのですか。

 チッ、誤魔化せたと思ったのに……。


《ねえねぇ?主、ボクとリス君のご飯は?》

「そ、そうだったわね?それなら、ルトこれで良いかしら……」


 ルト!グッジョブ、君は私の救世主なの?

 アイテムボックスから、ナッツを皿に出してルトに渡す。


「はい、これをルトに渡すから別けて食べてね?」

《わぁい!ありがとう主》


 私の肩にスルスルと登って来ると頬にチョンとルト鼻を着けてくる……。

 か、かわいいじゃないですか………ルト君!

 するとルトの真似を、してリスが同じ事を私に、してくる。

 な、なに?この子!かわいいじゃないですか!

 あぁ~もう、仕方ないわね後でテイムしちゃいましょう。


 よし!決めましたわ……追加で二匹テイムです!


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