第34話 覚悟の確認 4

「それは君のやることかい?ヴァンス殿やアルク殿が、そう言う事を考えるなら分かるけれど?」

「……あぁ。そう言えば殿下には、お話をしていませんでしたね?」

「何をだい?」

「私達は周辺の貴族と合併して独立しますのよ?そして、お父様が公国の国王に成りますわ」

「はぁ?な、なんだって!」


 驚いて立ち上がるが直ぐに座り直す。

 まぁ、驚くわよね?


「ですから、もう少ししたら国の中心がここに、成るので城を建てたのですわよ?」


 ここといって足元を指でさした。


「なら、国になったら?君は王女に?(城を建てた?)」

「ええ?まぁ、そうなりますかね?ですが次期国王がヴァンスお兄様ですから……。私は穀潰しと言われないように?今から投資をしてるのですが、中々難しいですわね?フフフ」

「君なら、次期女王に成れるのでは?」


 なに言ってるのかしら?この人……何でお家騒動に成るような事を、率先してやらないとならないのかしら?


「成りませんわよ?面倒な!そんなのはお兄様達に、お任せしますわ。私は支える立場で充分ですもの。貴方だって表に出るのが嫌で、王位争いから降りてるのでしょ?違うのかしら?」

「あぁ、そうだね。私も争うのが嫌だし、表に出るのも嫌なので放棄したが……。どうも私は薄情な様でね?自国の為には働く気にら成らなくてね。だからかな君に引かれるのは?」


 さ、さらっと何を言ってるのこの人は!


「何を言ってるのか分かりませんが……?私は独立するつもりは、無いですわよ?唯、家の厄介者には成りたくはないので、色々率先して動いてますが。…でも、なんだか私が動くと怒られますのよ?」


 何でか怒られるのよね?でも未だやりたいことは多くあるわ!そして空いた時間にのんびりルクス達と遊ぶのよ。……それって素敵でしょ?


「き、君は……本当に私より年が下なのかい?」

「下ですわよ?失礼な!それに私、本音を言いますと、結婚なんて考えられないのです」

「え?しかし先程、私との事を考えると言っていたではないかな?」

「ええ、言いましたわよ?言いましたが、暫くは婚約者としてですわね?」

「それは何故?」

「当たり前では?殿下は実積も信頼も、未だ誰からも評価は受けてませんわよ?むしろあの執事の所為で、駄々下がりです。そんな方と結婚?未来が見えないわ。この土地を、追い出されて路頭に迷うのですか?私は嫌ですわよ?それに……」

「未だあるのかい?」

「殿下の態度が分からないので…、私と家族が困惑してます。それも原因ですわよ?御客様で扱って良いのか?……家族同然の立場で物を頼んで良いのか?あの執事が牽制してますから、遠巻きに見るしか無いのですわ。今日だって、誘わなかったのはそのせいですわよ?」

「う、そ、そうだね……(最もな意見で、ぐうの音も出ない)」

「ですから、ちゃんと覚悟を見せて下さいませ?ですが逃げても構いませんわよ?」

「それは……冷たいね?」

「なにを甘えてますの?ここは他国ですわよ?貴方の国ではなくてよ?一人で食べて行く覚悟は無いのかしら?それで良く国を捨てたなんて……国に帰ってから、ちゃんと家を通して婚約の話をしてくるなら未だしも。……全くの無計画で、国を捨てたと言って乗り込んできて、トラブル起こして?それで覚悟すらないならねぇ?」

「う!(ご、ごもっとも………)」

「それと……これはあまり言いたくはないのですが……」

「なんだい?」


 隠しても仕方ないしフェアではないわね?

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