第33話 覚悟の確認 3

「それで?確認なのですが殿下」

「なんだい?」

「貴方は、国を捨てる覚悟でこの領地に来られてますのよね?」

「え?あぁ、そうだね?」


 呑気な受け答えですこと……本当に気持ちがあるのかしら?


「でしたら、この領地で何がしたいのでしょうか?」

「そ、それを今から話そうと思って、君を呼び止めたのだがね?マルセルの一件で遅れた。すまない」

「そう、それで狩りの話ですか?」

「あぁ、そうだ。私は未だ自分の…王子の地位が邪魔をしてるからね……」


 意味が分からないわ何が言いたいのかしら?


「あの?失礼ですが。国をお捨てに成るなら、地位など必要性は有りませんわよね?いい加減ちゃんと、覚悟をお決めに成って今の地位はお捨てになったら?」

「そ、そうは、言うがね?(後ろ楯がまるでなくなるのは……)」


 なんだ未練が、バリバリあるじゃないのよ!  ハッキリしないわね!


「でしたら、ハッキリさせませんか?私と婚約する気が有るのなら、国と地位は捨てて下さい!それが出来ならいのなら、執事と側近共々国にお帰りくださいませ?」


 そうすれば、後ろ楯はなくさずに済みますわよ?


「え!それは私の事を、考えてくれるのかい?」

「ええ、前向きに考えますわよ?ですが、あの執事は即刻退去させて下さいませ!あの方が居ると、遠くない内にトラブルになりますわよ?狩り云々よりも、ご自分の立ち地位を考えて行動なさって下さい。それに、狩りでというのは反対しませんわよ?私の家に協力して下さるのは助かりますし?」


 貴方の実績にはなるのでは?


「課題が多いね?でも、狩りは賛成なのかい?」

「ええ、領地に魔石が足りないはずなので、入り用ですわ。それに、人も増えました。資金も少し増やさないとなりませんし。狩りをして、素材を売り蓄えが少しでも増えるなら助かるので」


 あとは事業を起こさないとね?

 商人を呼んでと?アレクお兄様が仰ってましたから確認しないと……。

 少しでもお父様達のお役立ちたいわね?

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