第73話 領地へ・・・足留め

「フフフ。まぁどうしましょうか……?なんて嘘ですわ。私は18才ですわ?」

「なんと!そんなにはお若いのでしたか?」


 私が老けてるってことかしら?ムッとして眉間に皺が寄る。


「……若い?ですか?」

「あ、嫌……随分と落ち着いておられるので、私とあまり変わらないお年なのかと、思っていたのですよ?」


 そう言う事ですか………でも、失礼ですわよね?


「フフフ。面白い事を仰るのですね?では、アレクお兄様は、いくつなのかしら?」

「あ!そうでしたね。ハハハ。うっかりしてました!」

「ヴァンスお兄様は、23才。アレクお兄様は、20才ですわよ?」

「なんと、アレク殿は私より下でしたか」

「それこそ、お兄様に怒られますわよ?殿下」

「ハハハ。でしょうね?(随分と度胸が座って、態度がしっかりとして居るから。年も同じか、上だと思って居たが………)でも、二才しか離れていないのですから、弟みたいな者ですかね?」


 これは……厄介だな、何せあの兄達はシスコンの様のようだ。特に、あのアレクは生粋のシスコンだ。これはクリアをするのは大変だな………。

 まぁ、だからと言って諦める気は無いが。


「本当に怒られますわよ?フフフ」

「あ~では、今の話は内緒でお願いしますね?」

「それは……分かりませんわね?」

「それは冷たいでは、ないですか?」

「ん~?考えておきますわね?フフフ、なんだかおかしいわ」とパトリシアが笑い出す。

「ククク、そうですね?」


 二人で笑い合う。


「それにしても、パトリシア嬢は学園を卒業したばかりですか?」

「ええ、そうですわ。王都の学園を先日卒業しましたので、領地に帰るのですわ」

「そうでしたか?成らば………婚約者の元へお帰りに?それとも王都に待たせていて、一時的に里帰りしてから、王都にトンボ帰りなさるのか?」


 なんだが根堀葉掘り聞かれるわね?何故かしら?


「いえ、違いますわよ。私は何方とも、婚約はして居りませんわ。ですので領地に帰ったら、のんびりとするのですわ」

「のんびり、ですか?(よし!チャンスがある)」

「ええ、のんびり!ですわ」フフフ。


 婚約破棄されたなんて言わないわ!ここではね。

 思い出すと腹が立つのでやめましょう。



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