第13話 親友と再開

 次に来られたのは、隣国の王子様です。

 このタイミングで、なぜここに来たのかしら?

 今は詳しく話を聞くのは無理ですが……。

 後日、お兄様達が一番最初に話す場を設けそうですわね?


「やあ、初めまして。私はこの領地より三国離れた国から来た、ジークフリード・ナルス・ヤルスと申す」

「これはご丁寧な御挨拶を、ナルス殿下。良くおいで下さいましたな?初めまして。私は……」

「あぁ、良いよ?堅苦しい挨拶は。先程の挨拶で名前は覚えたからね?ベルガモット殿」

「そ、そうでしたか。遠路遥々大変でしたね?」

「あぁ、でも楽しかったぞ!それにしても、この領地は随分と豊なんだな。感心したよ?泊まる部屋も随分と豪華だ」

「これは、お褒め頂きありがとうございます。何かご不便がある様でしたら、気軽にメイドにお申し付け下さい」

「あぁ、あそうさせて貰おう。おっと、忘れるところだった!父上から文を預かってるのだが……?」

「それでしたら、後程場を設けましょう。その時にでもお話し下さい」

「なら、そうさせて貰うよ。それとその話しの場には是非、そのご令嬢も同席させてくれ」

「はぁ……娘もでしょうか、ヤルス殿?」

「あぁそう。その妹も、だよ?」

「で、ですが……」

「それは、いきなりですね?」

「ヴァンス!アレク!失礼だぞ」

「「これは…失礼を」……」

「では、その様にさせます。ですが、今宵はパーティーをお楽しみ下さい」

「そう?ならそうさせて貰おう。それではまた遭おう」


 そう言って壇上を下りると、側近達と料理が並ぶテーブルに向かって行った。


 そして、次に挨拶に来たのはイリアとマリエール親子と婚約者の皆様です。


「ごきげんよう。アデス殿。今回は、私達の願いで領地に呼んで頂き感謝をする」

「大変感謝をしてますよ。これで我が領地も安泰だ」

 …


 イリアのお父様の、ワークス・ユンデス様に、マリエールのお父様の、パウロウ・カルバイラ様が、お兄様にご挨拶をされる。

 でも安泰って何故かしらね?


「よく来てくれました、カルバイラ公、ユンデス公、お久しぶりですね。今回は、私達ベルガモットの政策に。御協力頂けるそうで感謝致します。お二方とも、ここ迄さぞご苦労なさったのでは?先ほど少し少し耳にしたのだが、魔物の出る頻度が高くなって居たとか。道中怪我など有りませんでしたかな?」

「嫌、特に苦労することもなく、ここまで来れましたからな。なぁパウロウ?」

「そうですね……領地も他の貴族の領地程は、荒れてないですしね?」


 不思議な事にと言って話が続きますが……。

 そろそろイリア達のご挨拶も聞きたいわ?


「お父様、私達にも、ご挨拶をさせて下さいませ?」

「それは、すまないね?ほら、お前達ご挨拶を」

「もう、お父様ったら!申し訳御座いません。ベルガモット様。それに御家族の皆様。私は、イリア・モリッシモと申します」

「初めまして、私は、マクシミリアン・モリッシモと申します。ベルガモット殿、それに御家族の皆様。お逢いできて光栄です。以後お見知り置きを」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る