第10話 ~ パトリシアざまぁ出来た? 中編 ~
パトリシア、度胸に免じて時間を割いても良いかと考えパトリシアに了解を出す。
(ほぉ~このお嬢さん、私を前に全く怯まないですねぇ~。か弱いご令嬢なのだと思って居ましたが………。それなら少しだけ、遊ばせて差し上げましょうかねぇ~)
「ヒヒヒ。成らば少し時をあげましょうか?何方を下ろしますかな?ヒヒヒ」
「そんな事、決まってますわ!二人供ですわ」
「ヒヒヒ、承知しました。ヒヒヒ、おい二人を卸して立たせなさい!」
そして抱えていた二人を、立たせエミリアは動かないように押さえて貰う。
「有り難う御座います。マルコシアスさん?さて、中々良い格好ですね?殿下?覚えてますか私の事を?」
そう言いながら、ルーベルトの前に立ち頬に一発思いっきり力を込めて平手打ちをする。
【バチィイン】んと音を立てて平手打ちをした。
すると今まで虚ろな目をして、腑抜けになっていたルーベルトは、誰が自分を叩いたのかが分かったらしく突然騒ぎ出した。
「い、いだい!は!おま、お前はパトリシア!俺を打ったのは、お前かこの糞アマがぁー!」
「酷い言われようですわねぇ?
私、一度聞きたかったのですが何故?私を貴方なんかの!貴方みたいな【馬鹿】の婚約者に、されないといけなかったのかしら?私には優しささえ、何一つ見せない癖に。
何故、縛り付けたのです?何故私は貴方に此処まで、されなければ成らなかったの?」
「う、煩い!
お前を奴隷のように扱って何が悪い?俺は王子だぞ!少し気に入ったから貰っただけで。飽て要らなかったから捨てた。
其だけだ!お前こそ、私以外には誰にでも笑顔で話して、誰彼構わずに愛想を振り撒き。媚びてたくせに!」
「は?私を玩具と一緒の扱いですか?愛想振り撒く・・・・?本当に何にも学習をしていないと、こうなるのですねぇ。聞いただけでも、虫酸が走るだけでしたか?分かりましたわ、そうですか!もう何も聞く事もないわ!成らばこれでサヨウナラですわね?」
あっ!そこの人危ないわよ!少し退いてぐださいませね?
ルーベルトの腹に手をかざして「ふぅ」と息を吐き。
「気候術………一撃!」
と唱えると、掌から熱を帯びた波動を放った。
するとルーベルトが、悲鳴を上げ倒れ転げ回る。
「ウギャーーーーな、いだ、なにをいだいーーおまえぇーーいだぃーー」
腹が、痛いと転げ回るルーベルト。手首に掛けた木枷が邪魔で、痛い腹を触れずのたうち回る。
痛いと叫ぶルーベルトを見ながら、パトリシアが心の底から思う【ざまぁ見ろ!!】馬鹿王子!ニッコリと笑を溢した。
はい、御愁傷様です。
バイバイ!一撃なので、死ぬことはありませんわよ?痛みは……直ぐに消える筈?
分からないけど………。
顔を上げて後ろに振り向き、家族にニコリと笑みを見せた。
その様子を見ていた国王達が、驚いていた大人しかった筈の、パトリシアの思わぬ一面を見た国王達が………思わず一歩後退った。
えっ?私何かしたかしら?フフフ。
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