第11話 ~ パトリシアざまぁ出来た? 後編 ~
そして、今度は満面の笑みを浮かべてエミリアを見ながら一歩づつ近付いた。
「さて……私を馬鹿にしたのよね貴方?あの馬鹿王子に付き纏って?金をせびって?篭絡したのよねぇ?」
馬鹿の腕に絡み付き、ニヤリと私を笑ったのを覚えて居るわよ?と呟きながらパトリシアがピンクに近寄った。
「いや、いや、寄らないでよ、悪魔!」
私から離れたいのだろうが、動かないように押さえられて居るので動けない。
エミリア風に言うと、マジ!笑えるんだけど………である。(笑)
「悪魔ですか?何処にそんな者が、居るのかしら?教えてくださらない?貴女の方が悪魔では?そのピンク色の髪が私には、悪魔に見えるわ。ニヤリ」
そして、誰にも聞こえない小声でエミリアの耳元に"日本語"で囁く。
(お前日本人だろ?転生か?大人しくしてれば良かったのに。何か、勘違いをしてる様だけど、ここはゲームの世界じゃ無いぞ。リアルだぞ!お前のせいで、あの馬鹿王子は死ぬ目に合うんだ、全部お前が悪いんだ!死ねよ必ず。そして魂も潰されろ!このピンク頭!マジ笑える!受けるぅ~バァ~カ!)
そう言い切った後に、誰にも見せた事がないような満面の笑顔を張り付け、ドス暗い顔をエミリアだけに見せた。
そしてパトリシアは、エミリアの喉元にそっと掌を翳し気功術を一発、死なない程度に入れて声を潰した。
「ひぃ」
それが最後の彼女の声だった。そして声が出ない事を悟ったのか、がくりと項垂れ静かに成った。
はぁ~~~~!すっきりした。
「あ、マルコシアスさん?全部終わったので持って行って結構ですわよ」
スッキリとした、満面の笑みでマルコシアスにコイツら運んで?と告げた。
パトリシアの、行動に衝撃を受けた者達がパトリシアの一言で我に返る。
「ヒヒヒ、ヒヒヒ。お嬢様……貴方素敵でしたねぇ。是非私共と、お仕事をしたい者です。ヒヒヒ」
「まぁ~ご冗談を。嫌ですわ?私は、か弱いレディですもの。ホホホ」
「そうでしたか?ヒヒヒ。それではご用がお済みの様ですね?私共はこれにて。おい!そいつらを運びなさい!」
そして男達が、ルーベルトとエミリアを荷物を持つように肩に担いで出て行った。
「父上!!助けで、だずげでぇーーーー!」
謁見の間を、連れ出されながら弱々しくルーベルトが声を出し助けを求めるが、お前など誰が助ける者が居るかと誰もが思った。
そして声が小さくなり聞こえなくなった。
「お父様、お母様。お兄様達、終わりましたね……」
クルリと兄達に振り返り、晴れやかにニコリとパトリシアが笑った。
「あぁ、終わったな………(い、今のは何だ!)」
兄達の顔が、引き攣っていた。
「あ、アデス・ベルガモット、家族を連れて此方へ」
国王が顔を引き攣らせながら、アデス達を呼び、そして謁見の間から出て貴賓室に戻った。
有る意味此処からが大変ですわよ……。
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