第22話 真意を確かめましょう。

 御断りなのは決定なのですが……。


 結婚の申し込みを、ちゃんと段階を踏んでされてるのは初めてです。

 しかも本人目の前にして、申し込みです。

 なんとも複雑且つ感動です。

 だけどそれだけですわね、ちっとも指針が振れないわね。


 先日まで居た王子様も、交際してくれと言ってましたが……あの方はなんとなく遠回しだったし。

 あら?違ったかしら?ハッキリ言ってた?

 記憶に………ないわね!フフフ。

 でも一緒に居た使用人が、アウトでしたから。

 一時は、判断が鈍りましたが。

 でも、あの人も針が揺れなかったし、今回も同じだわねきっと。


 はぁ~どうしょうかしら?誰かに相談する?

 お兄様に?でもお兄様達は猛反対すると思うのよね。

 あ~直ぐに断りたい。

 揉め事は避けたい。

 

 けれど王族の方に、そんな不敬をしても良いのかしら?

 前のは、王子……といっても名ばかりのお馬鹿様でしたし。


 本当に……判断が鈍るわ。


「君が色々怪しんで居るのは、分かってる。パトリシア様からしたら、私の申し出は急な話だろう。だが、私は本気だ。どうか私との事を考えてくれないかな?」

「も、申し訳ございません。ジークフリード王子様、少しお時間を下さいませ。それと宜しければ、ジークフリード王子様と、ゆっくりお話しをしたいですわ」

「そ、そうか?なら、早速!」

「ゴホン。ジーク殿下……」

「な…何だ、ロミノ?」


 この、ロミノと言う方…。

 どうやら王子様の執事の様ですわね?この方は案外まともなのかしら?

 是非今回はまともな方だと良いわね。


「誠に僭越ながら……未だ、お話しは終わっては居りません。殿下」

「お!そうだったな。す、済まぬなアデス殿?早急過ぎたな!ハハハ」

「いえ別段お気に為さらず?それでは、その他の詳しい話しをしたいのですが、宜しいですかジークフリード殿?」

「おっと、忘れる所でしたね?アデス殿すまぬな?」

「いえ、それで申し訳ないが、パトリシアを下がらせても良いでしょうか?娘は政には関わらせたくはないのでね」

「そうなのかい?それは構わないが……。それなら後日で良いので、また時間を作って貰えないだろうか?今度は出来れば二人きりで」

「それでしら、ジークフリード殿、後日改めて時間を儲けましょう」

「そうか?アデス殿、是非頼む!」

「ええ、近いうちに必ず」

「それでは、お父様。私はこの辺りで、お暇させて頂きますわ。ジークフリード王子様、また後日改めて」

「ああ、またな?今度はちゃんと話しをしょう」

「……ええごきげんよう?」


 会いたくないわ……全然ときめかない!

 本当に無理だわねこれは会うたびに苦痛では?

 何とか交わして逃げ回る!うん!

 それでお父様から御断りして貰いたいわ!


 でも、王子の真意を確かめてもいいわね?

 なにしに来たのか確認してもいいわ。

 絶対に、結婚の申し込みだけが目的じゃないわよね。


 どうせ暫く滞在されるのでしょうから。

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