第23話 タイミング!

 ジークフリード王子から話しを聞いて、時間が欲しいと伝えて執務室から出たパトリシアだが……。


「どうしょうかしらね…」

「お嬢様?どうしましたか?」

「あ、あら、グレンここに居てくれたの?」

「ええ、ここで控えてましたよ。どうされましたか?」


 自分の部屋に戻るため廊下をグレンと歩きながら話しを進める。


「少し……困ったことに為りそうですわよ。グレン」

「困った事ですか?」

「ええ、本当にどうしたら良いのか?あ、そうだわ!グレン」

「なんでしょうか?」

「王子様とご一緒にいらした、使用人達の態度はどうかしら?また困ってるなんて事は無いわよね?」

「ええ、今回はなにもないですね?お泊まり頂だいてる、迎賓館の使用人達からはなにも聞いてはいないですか?」

「そう……」


 使用人達の態度は合格なのね……。

 まぁ、王子共々演技は上手いのかしらね?


「はぁ~」

「お嬢様?溜め息ばかり付くと、幸せが逃げますよ?フフフ」

「グレン、笑ってる場合ではなくてよ?貴方にもエルサにも、関係があるのだから!」


 全く他人事みたいに笑ってるけど……。

 私の幸せなんて、とっくに何処かへ逃げてる気がするのは気のせいかしらね?

 あ、でも理由を話して無いわ。


「グレン、取り敢えず部屋に戻ってから話すわ」


 こんな事、歩きながらする話では無いもの。

 あ~気が重いったら……。


「ええ、お願いしますね?」ニコリ。


 グレンと二人で自室に戻ったパトリシアは、影からチビッ子達を出して、自由にさせてからソファーに座る。

 グレンはと言うと、取り敢えずパトリシアにお茶を出してパトリシアの話しを聞く事にしたらしくリラックスしてる。

 グレン座ったら?


「お嬢様?それで、彼の王子はなんと?先日のパーティーでも、少し耳にして居りましたが。やはり、ご婚約のお申し込みですか?」

「………ええ、そうなのよ。困ったわ」

「何をお困りですか?良いお話しでは?」

「……それ、本気で言ってますか?グレン」

「本気……ですが?何か……。あぁ、お嬢様の色々な……秘密とかでしょうか?それでしたら…」

「違うわよ、まぁ、婚約うんぬんは大当たりです!私も、色々やらかしてる自覚は有るわ。でも違うわよ!」

「違うですか?一体何が?それにやらかし云々は自業自得では?ククク」

「そうなのよねぇ…。って、笑わないで。グレンの意地悪!」

「フフフ。ですが急に婚約が決まると、言う話ではないのですよね?」

「まぁ、そうね……。ジークフリード王子は、ゆっくり考えて欲しいと言ってるし?また、二人で話す機会を設けると言う事ですわ。だけどその話しも含めて信用できない」

「はぁ……信用できないですか?何かあったのですか?それなら…悩まずにスッパリお切りに為った方がいいのでは?」

「はぁ~そうなのよ、お断りしたいのよ!」

「でしたら直ぐにでも……」

「ですがそうは、行かないのよ!グレン」

「はぁ……?」

「まあ、その内に分かるわよ?グレンもね?」

「お心がお決まりならそう、悩む必要はない思いいますが?」

「まあ、そうなのですが…。タイミングよ、グレン!何事にもね?」

「た、タイミング?とは?」

「えっ!そう……ねぇ切っ掛けよ!」

「切っ掛けですか?」

「ええ、そうよ!」


 お父様達は調べると、思うのよね?

 だから証拠が揃えば、そこで一機に畳み掛ける筈よね?だからちゃんと話さないと為らないわ!

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