第39話 お嬢様がご迷惑をお掛け致します!

「それに、お泊まりのお部屋でも色々と、騒いでるわよ?夜中まで煩いのよ?あの方達の部屋が、私達が泊まる部屋の下の、階を使ってるから声が響くのよねぇ……」


 そんなに煩いのかしら……。

 あ!だったら城に来て貰ましょうか?


「そ、そうなのね?なんなら此方へ移る?」

「え、それ!良いのかしら」

「ええ、お部屋は空いてますから。唯、使用人の人数だけ、教えてくれないかしら?お部屋があるか確認するから」 

「分かったわ。それなら後で確認して連絡するわ。それにしても…この、お料理……美味しいわぁ~」

「ええ、マリエール。宿で、出てくるお料理も美味しいけれど、此方はもっと美味しくて…。少しドレスのウエストが……気になるわ……」

「そうなのよ……。中々で出歩けないものね?はぁ~」


 はぁ、と、二人で溜め息を漏らす。


「フフフ。それでしたら、二人ともサロンでお茶を飲んでから、その後で少しだけ身体を動かさない?」

「ええ、それは、良いけれど何をしますの?」

「城の小ホールで、ダンスの練習なんて如何かしら?お相手の殿方がいないけれど……」

「あら、そうねえ~。でしたらお相手は…自分達の専属の執事なんてどうかしら?」

「まぁ、それは、良いわね?良いかしら。グレン?」

「………か、構いませんが。他のご婦人方はちゃんと旦那様を、お呼びした方が宜しいと思います」

「で、でしたらイリア様。私が、旦那様を呼んで参ります。申し訳有りませんが、グレン殿ホールの場所をお教え下さいませ」

「私も旦那様を呼んで参りましょう」

「えぇ!旦那様は良いわよ?お仕事の話しをしてると思うわよ?」

「別に呼ばなくても、良いんじゃないかしら?」


 おや?大事になって仕舞ったわね。


「な、ならグレン悪いけれど。お二人をお兄様が居る会議室へ、ご案内して差し上げて?私達は適当にサロンでお茶してるわ」

「えぇ、パトリシア。良いわよ気を使わなくても。ダンスの相手なんて、マルコフで事は足りるわ。ねぇ、マルコフ?」

「そうは、参りませんよ?奥様、お待ち下さい。旦那様に確認して参ります」

「私も良いわよ?バルデ」

「……そうは参りません。マルコフ殿と同様に、マリエール奥様もお待ち下さい。グレン殿申し訳有りませんが、旦那様達の居るお部屋にご連絡をお願い出来ますか?」

「でしたら、御両家が打ち合わせをしている、お部屋にご案内致しましょう。お二方パトリシアお嬢様が、大変ご迷惑お掛けします」


 ぺこりと頭を下げる。……ん~グレン私が悪いの?


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