第38話 碌な親子ではなかった。

 時間は少し飛んで。


 翌日の昼食の時間に。イリアとマリエールの三人で御食事を始めます。


 場所は城の食堂に成りました。


 お庭で昼食を、と思いましたが……今日は、生憎のお天気で雨模様です。


「今日は、雨が降ってしまって残念だわ。お庭で昼食をと、思ってたのに……」

「仕方ないわよ?お天気に文句は言えないものね」

「フフフ。そうよ、こうして久しぶりに三人で御食事出来るのですもの。場所なんて気にしないわ」

「そうですの、それなら良いのかしら?」

「気にしないで。それより、聞きまましたわよ?貴女に、交際のお申し込みがあったとか。それも、お二人からですって!ねぇ~どうしますの?」

「どうとは……また、ストレートな、聞き方ね?イリア」

「なに、言ってますの?パトリシア。私達は友達なのですもの、遠慮なんてしないわよ?」

「フフフ。まぁ、そうね?」

「それで、どんな方達だった?もうお二人お会いになったのでしょ?」

「……他から聞いてるのに、私に聞くのかしら?」

「ええ、当事者に直接聞いた方が、真実味があるもの。変な噂に惑わされる事はないでしょ」


 本当にストレートな、物言いいですね?

 ですが、この二人に隠し事を増やすのは嫌なのよねぇ。


「お相手の方は?どんな方でしたの」

「ん~。お一人は……完全に無理ですわね」

「そうですの?何で無理なの?パトリシア」

「ん……何て言ったら良いのかしら、性格に問題あり?ですかしら」

「それは、どちらの方なの……。なんとなく想像出来るけれど」

「どちらだと思う?イリア」

「ん~そうねぇ……彼方の、伯爵のご子息かしら?」

「あら、良く分かるわねぇ。なんで、そう思ったのかしら」

「それは……ねぇ?マリエール」

「ええ、そうね。あれは無いわね。クスクス」


 なにか、宿泊してる迎賓館で何かあったのかしら?

 イリア達が、泊まる部屋は一緒の階だったかしら?


「家の使用人達が、噂してましてよ?」

「な、何をかしら。ここには、何も情報は来てないわよ?」

「それは、そうでしょう。外面は、良い様子ですものねぇ?」

「なんだか、勿体ぶってない?なんなのかしら教えて下さいな」

「あの伯爵親子ですが。この、領地に到着そうそう自分の使用人達に、貴女の領地の色んな物を買い漁ってるそうよ?それも、適正価格を、買い叩いてね?」

「は、なんですのそれは……。それなら、領民が困ってるのね?」

「まぁ、そうでしょうね。使用人に命令して、安く買えとでも言ってるのでは?と、旦那様が言ってたわよ」


 何だか、惚気も入ってるわね?それにしても、ザルな監視だわねぇ……。


 何してる……あ!それとも泳がせてるのかしら?

 お兄様達なら、聞いてる筈だわ。

 私はお兄様に確認だけしたら後はスルーかなしらね。

 はぁ……碌な親子では無かったのね。

 まあ、他国の王子もそんな感じなのかしら。

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