第27話 勢揃い。

「あ!ジョシュア!お姉様から離れろ!」


 後ろから抱き付いて来たのはジョシュア君でしたか…。

 

「おにいさまばかり、シアおねえさまと遊んでもらってずるいですぅ!」


 私に抱きついたまま、ジョシュアがマクレインに文句を言う。


「いいじゃないか!僕がお兄ちゃんなんだから!ね?お姉様?」

「え?(それを私に聞くのかしら……)ええっと……」


 これは……困ったわね、なんて答えるのが正解なのかしら?

 私が答えに困っているとまた後ろから声がする。


「マクレイン、ジョシュア!お前達、シアちゃんを困らせては駄目じゃないの?」

「あ、お母様だ!」

「お母様…あのね?」


 子供達が、私の側を離れると自分達の母に突進していく。おお、あの突進に耐えるの……流石は母ですね?


「これ、貴方達もう少し大人しくなさいな。ご免なさいね?パトリシアちゃん」

「い、いえ。叔母様、大丈夫ですわ」

「そう?それなら良いのだけれど……。全くここに来てから、子供達が元気に成り過ぎて……」

「まぁ、グレース?遊び盛りで良いじゃないの?うちはもう……大きく成り過ぎて……。つまらないわよ?」


 お母様……つまらないわよ?とかの問題点ですか?


「……さ、さぁ叔母様も、お母様もお揃いですので、丁度よかったですわね。そろそろお席も整いますのよ?叔母様、お母様、彼方に座って料理が届くのを持ちませんか?」

「そうですの?それならジョシュア!マクレイン此方にいらっしゃいな?」

「「はぁ~い。お母様」お姉様は、僕の隣に座って下さい!」

「ずるい!お兄ちゃんばっかり!」

「こ、これ!貴方達!大人しく座りなさいな。お行儀悪いわよ」


 もう、恥ずかしいわと叔母様が言って義お姉様ご免なさい騒がしくてと母に謝る。


「フフフ。元気でいいわねぇ?」

「マリーンお姉様………そうは仰いますが……」


 そんな話をしていると、お兄様達が篝火の手配が終わったらしくテーブルに戻って来た。


「「遅くなりました」おや、母上……叔母様達も此方にいらしゃって居りましたか?」

「あら?アルクさんにヴァンスさんでしたか?ごきげんよう?」

「叔母様、外で食事なんて大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫ですわよ?お気遣い有難う。外でのお食事なんて……、彼方の屋敷では考えられなかったけれど。…これはこれで、いいものね?フフフ」

「そうだろう、グレース?」

「あら?貴方。お仕事終わったの?」

「あ!お父様だ!」


 ジョシュアが叔父様に突進していく。


「おっとジョシュアか!どうしたね?」


 ジョシュアを抱き上げながら叔父様と、その後ろにはお父様がいらっしゃった。

 凄いわ、一家総出と叔父夫婦にその子供達………。

 一ヵ所に集まって仕舞ったわ。

 これは……テーブル分けた方が良いわよね?

 当たり前だけど……。


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