第47話 腹黒?

 殿下との食事が終わり、話の流れ出今度は庭ですか?それも温室……ですか?

 時計をチラリと見れば…9時を過ぎてました。

 その時間に兄達以外の殿方と外を散歩を?

 それも温室にですか……良いのかしら?

 良くは無いわよね?

 あっ!でも、グレンや護衛が居るからそこはOKなのかしら?

 いやいや違うわね。


「で、殿下それはご遠慮下さいませ」

「何故だい?ロミノ」

「お時間が問題でございます!」

「あ………っ!そうだね。そうだった……嫌ぁ~すまない」

「い、いえ…大丈夫ですわ。それでしたら殿下宜しければ明日、朝食が終わってから御案内致しますわ。如何ですか?」

「それなら……うん!それでお願いしょう。ロミノ良いかい?」

「ええ、構いませんよ。殿下」

「では、明日の朝食が終わってから、東屋でお待ち合わせでは如何でしょうか。その後で、お嬢様と温室の散策を為さるのは如何でしょうか?」

「そうか……ならばそうするか?では、私達はこれで失礼するかな。ロミノ」

「ではパトリシア様、また明日宜しくお願いします」

「ええ、明日…お休みなさいませジーク殿下」


 椅子から立ち上がり、お辞儀をして殿下達を見送るとグレンが食堂の扉を閉める。

 そして、王子達の気配か消えて気が緩んだ。


「ふぅ~。グレンありがとう。フォロー助かったわ」

「いえいえ、お疲れ様で御座いましたお嬢様。所で……」

「な、何かしらグレン?」

「王子からの婚約の申込みの御返事は、どうされるのでしょうか?そろそろ私達にも、お考えをお教え頂けませんか?」


 あっ!不味いわ、グレンにちゃんと話して無かった。


「ええっと、グレンこれは内密の話で。話して無かったのは、悪いと思ってるのだけれど…」


 多分話してないはずよね?

 あ、あら話してるかしら?匂わせたつもりだったけれど?取りあえず話しますか。


「なんですか、珍しいですね?内緒話しですか?」


 内緒話し…なんだか可愛い言い方だけど…。

 まあ、そうよね。


「ええ、あの…王子!私と婚約するた為にきてますが。多分裏があると思うのよ」

「………はぁ?それは何故?」

「あの……少し前にほら、お兄様と一緒に国境の門の結界を、強化しに行ってるのはグレンも知ってるでしょ?」

「ええ、存じてますが…それが?」

「あの門はね、人の心の悪意を読み取るのは知ってるでしょ?」

「ええ、それはもう」

「でね、あの王子というか国のかしらね。あの方の国から、ベルガモットに間者をね侵入させてるのよ。それも数人ね」

「ま、まさか!そんな事!」

「それがまさか本当なのよ。この事は、アレクお兄様も知ってるわよ?それにお父様も承知よ」

「承知されてて、動かないのですか?」

「ほら、お父様の親が随分と…怠慢だったでしょ?」

「ええ、それは聞き及んでますが……はっ!まさか、結界の魔力が枯渇仕掛かっていたのですか?」


 まぁ、それだけではないけれど…取りあえず今はこの説明だけで良いわね。


「フフフ、グレン当たりですわ。私が直したときにはもう、潜入された後でした。なので潜伏先を調べてるわね今は。だからどういう手引きで、率いれたのかは分かってませんが…。そう云うことです」

「まさかそこまで……ですが!直ぐに追い出すべきでは?」

「グレンそこなのよ!追い出すにも、王子の尻尾が未だ確実に掴めないのよ。影達をあの方達の部屋に、忍ばせてるそうなのですが。未だ、私には詳しい話しをして貰って無いのよ」


 だから、のらりくらりと泳がせてるのですが……。

 それに……ほら、しらばっくれて私に結婚の申込をしてきたらから面白くて?

 まあ、トラウマもあるので簡単には返事はしませんし?

 無理やり国に入って来てるしねぇ…。


「お嬢様……もしかして…私の勘違いでなければですが…?」

「何かしらグレン」

「もしかして、遊んでませんか?」

「遊ぶって……まぁ、そうなのかしらね?フフフ。でもちゃんとお相手してるでしょ?」

「はぁ~私はてっきり、あの王子と婚約するのではないかと、勘違いをしてしまいましたよ」

「ごめんなさいね?グレン話すのが遅くなって?」

「いえ、ここ最近お嬢様は忙しくしてましたし。私と話す時間も、余り御座いませんでしたからね?でしたら、明日からは私と離れないような、スケジュールを組みませんと?」

「あら、そうなの?」

「ええ、ケレスでは心配ですからね?」

「フフフそうなの?でもそうね、ちゃんとグレンが側にいてくださいね。そしてグレン、もううしばらく私の茶番に付き合って頂戴ね?」


 明日もまたその茶番をしないと為らないけれでどね?


 な、なんか私って腹黒なのかしら?

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