第49話 愚か者の最後 2
そして、アレクが待つのが焦れたのか、急ぐ様に口を挟む。
「恐れながらクレマンド殿下。そろそろ戻って出発の準備をしたいのだが?それに、預かっている馬車は何処に出しましょうか?」
「ああ、すまんな。アレク殿、成らばここに一旦出して欲しい」
「分かりました。ならば出しますよ?」
では、というとアレクは鞄から馬車をスッと外にだす。
すると、大きな馬車が音もなく地面に出てくる。
「さぁ、中に入りって必用な物を出し下さい。クレマンド殿下」
「すまんな、アレク殿。馬車の中の荷物を出したら馬車を壊すから少し待ってくれ」
「分かりました、お待ちしてますよ?お早めにお願いします」
「分かった、トリマン。こいつ見張っててくれ、逃げないようにな?」
「はい承知しました」
そして、トリマンが転がったままのケレスの上に馬乗りになり動けないようにする。
「ベンド、バルカン、馬車から荷物を出せ」
「「分かりました」」
返事をすると、二人が馬車の中に入り積み込んでいた荷物を運び出す。
出した荷物を乗ってきた馬3頭に乗せ、馬車を壊す作業に移るが……。
「クレマンド殿下。チマチマと壊していると、日が暮れますよ?どなたかの魔法で壊しませんか?」
「す、すまんな。アレク殿、私達は余り魔法が得意な者が居ないのだよ」
「ああ、そうでしたか?成らば私が請け負いましょうか?」
「なんと、アレク殿も魔法が使えるのかい?」
「ええ。まぁ妹と比べると、魔法の威力は落ちますがね?」
「それでも、我々よりは使えるのだろ?」
「……そうですね。そもそも、使えないなら言いませんよ?」
「ハハハ。それならお願いできるかい?」
「分かりました、側近の皆さん少し距離を取って、後ろへ下がって下さい。ああ、そこで寝てるのはそのままで良いですがね?」
「では、パワークラッカー」
風魔法と火魔法で爆発を起こした。
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