第36話 覚悟の確認 6

「分かったよ。だが、狩りの件は考えてくれ」


 未だ食い下がってくるのね?何なのだろう?


「ですからそれは、私に言わないで下さい?お父様に直接お話をされてください。ですが、…お遊びの狩りではないですわよ?お国で狩りを楽しむのとは違いますのよ?あの執事さんは、それが望みの様でしたが?」

「分かってるよ、ちゃんとね?私もそこ迄愚かではないつもりだよ!」

「そ、そうですか?」

「あぁ、なら明日また話そうか?」

「はっ、なぜ?」

「明日までに、私の覚悟をに君に話す!」


 随分と急ぐわね……まぁ、居づらくなるのは分かってるのかしら?


「分かりましたわ。それなら明日の昼間、昼食の後に、サロンにお顔を出して下さいませ?その時に、お父様達とお話しをされてください」

「わ、分かったよ」

「それとあの方、執事は同席させないで下さいね?あの方が居ると話が進みませんので。不安でしたら、側近の何方かの同席なら認めます」


 偉そうにして仕舞ったけれど……良いわよね?


「あぁ、分かった。それならまた明日に?パトリシアありがとう」

「いえ、私も言い過ぎましたわ。申し訳ありません」

「嫌………では……ね?」


 遮音の魔法を解いて部屋を二人で出る。


「で!殿下!」


 ビックリしたわ、待ってたの?あんたこそ犬じゃない?


「煩い静かに!マルセル。お前と話がある来い!パトリシア嬢おやすみ。ほらこい!」


 主に怒られた犬の様に、マルセルから出るしっぽが下がってるのが見える。

 ……フフフ。ざまぁ!怒られろ!

 私の大事な、使用人達に嫌味な態度を取った罰よ!


「パトリシアお嬢様………」


 あら?グレン居たのね?


「さ、グレン。部屋に入るわよ?」


 壁に触ると今まであった扉が消える。


「はぁ!お嬢様これは?」


 グレンが壁を触って扉があった場所を確認する。


「消したわよ?私の部屋に入らせる訳には行かないし。私専用の個室って無いから、後でお父様にお話しをして、私専用の個室貰わないとね?」

「はぁ~お嬢様……もう少し私達を頼って下さいませ?」

「えっ、ちゃんと頼ってるじゃない。面倒な事はして貰ってるでしょ?」


 自分の部屋に入りながらそんな話しをする。


「それは私達の仕事です!それで、私達はお給料を貰ってるのですよ?」

「まぁ、それはそうね?そうだけど……良いのじゃ無いかしら?クレオやアイザック、マルク達も同じ様な物でしょ?フフフ」

「じゃないですよ?エルサと私は、あの方達より楽させてもらってます」

「それなら、良いじゃないのかしら?あら、それでクレオ達からなにか言われてるの?」

「そんなことは言ってませんよ!私は。全くお嬢様は……もう少し頼ってくださいよ……」

「えっ?私は主ですもの、強くないとね?ですが…私は女ですからね、弱い部分は守って貰ってるわよ?」

「お嬢様様の、何処が弱いのですか!全部一人で済ませてしまって……」

「……あら?…そうかしら?」

「そうですよ!今だって、あの方をやり込めてたのでしょ?」

「あら、良く分かるわね?グレン凄いわ!流石私の執事よね!」


 パチパチと手を叩いて、称賛する。


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