第29話 宴もたけなわ

 グラス渡され、お二人とも手酌でワインを飲み始める。ですが……あらら、はしたない。


「お兄様達……手酌なんて、はしたないわ?」

「良いんだよ!ここは私達の身内しか居ないんだからな!今日は無礼講だ!」

「そ、そうですが……」

「そうだぞ!パトリシア!今日はお前の振る舞う料理と酒で楽しい時間だ!存分に楽しもうではないか。なあ、ハンスよ!」

「ええ、そうですね!旨い酒に旨い料理!これぞ至福ですよ。兄上!」

「な、な、どうしましたの?お二人共?もう酔ってらっしゃるなんて、事はないですわよね?お母様!叔母様?」

「まぁまぁ、貴方!騒いでどうされたの?」

「パトリシアちゃん、ごめんなさいね?なにか今日は御機嫌なのよ?」

「そうでしたの?それにしても子供に達は、どうされました?先程迄は、チビ達と遊んだましたが?」

「あの子達はほら……」

「あらら船漕いでますわね?あらら」

「まあ、寝てしまったわね?貴方!旦那様、子供達が大変よ!」

「ん?おやおやあれは、どうやら疲れて寝て仕舞ったね。仕方ないグレース、私達は暇しようか?」

「ええ、そうねぇ。楽しいお食事でしたけど……」

「そうだな、パトリシア。私達は親子はこれでまた明日に?今夜は楽しかったよ」

「パトリシアちゃんまた明日ね?」

「ええ、叔父様、叔母様お休みなさい。また明日に」


 執事のポールさんと叔父一家が帰って行った。


 そして、残ったのは宰相親と私達親子です。


「ふぅ~騒がしかったのに、一気に静かに為ったわね?」

「まあ、最初に飛ばしてましたしね?父上と叔父上は。子供達も大はしゃぎしてましたからね?」


 そうなのね、ならルト達はヘトヘトかしら?と目をやれば……おおぐったりしてるわね?

なら影に戻しますか。


(ルト、ルクス、影に戻る?)

《うん……全員で戻るよ、ヘトヘトだよ》

『疲れた』


 と言ってスッと影に入ったわ。

 ごめんね?フフフ。子供の世話をさせて仕舞って。


 そうして、残ったのは家族プラス二人です。

そして、それぞれのテーブルで食事を再開仕様ですわ。

 慌ただしいわぁ~。


「それにしても、豪華な食事でしたね父上?」 

「まあそうだな。陛下も幸せですな?料理上手な王女様で?」

「まあ、な?だが最近事だそ?前はこんなこともできなかったからな。なぁ~マリーン?」

「ええ、そうね。パトリシア、今日はありがとう。楽しかったわ!出来れば、今度は城で催したいわね?」

「そう、ですわね……。お母様?伯父様達どうにか為りませんの?」

「あらそれは?」

「それは……シア。それはまた後日に?」

「そうですの?お兄様……」

「まあ、それは後で聞くよ。パトリシア、それから話しは変わるがな?パトリシア。お前に婚約を申し込んで来た貴族が、もう一人明日の午後にその貴族と会って欲しい」


 は、い?…………今それを言うの?お父様!

 く、空気を読んで欲しいわ……。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る