第16話 領地へ

 騎士達も暇な時があるなら、騎士達に娯楽も必要よね?

 トランプと、リバーシと、ジェンガと、チェスを渡して後で遊び方を、教えてあげましょうかしら?うん!それが良いわね?

 そのうちに渡そう。ぼんやりとそんなことを考える。


「おい!パトリシア!!」


 お父様が呼んでいるので、兄達と三人で父の側まで行く。


「父上。お呼びですか?」

「あぁ……すまんな、今日はここで野営する。タイミング良くボアの肉も、手に入ったしな。騎士隊長と料理長とで、相談して決めたのだ。なので馬車の隊列を整えるからいつもの頼むぞ?パトリシア」

「ええ、分かりましたわお父様。でしたらボアを回収しませんと?」

「あぁ、それも頼むよ。ヴァンス、アレク、パトリシアと一緒に行ってくれ」

「分かりました。しかし、こんな何もない草原で、ボア群れに合うとは、幸運でしたね」

「あぁ、全くですね。さて、早く回収して肉を食うぞ!!」

「パトリシア頼む!!」


 お兄様達!肉食系男子!だった!!


「お兄様達、何気に楽しみなのね?」

「「ハハハ!当然!」」


 そんな事を言いながら、わちゃわちゃしてボアを回収していると、マップに青い点と赤い点を確認した。


 マップを良く見ると、ん?ヤバくないか?こっちに向かって………あ、止まったわね?

 戦闘中ですかね?


 全てのボアを、急いで回収して結界を張った方が良いわね?

 そのパトリシアの慌てぶりを見た、アレクが声を掛けてくる。


「シア?どうした?なんだか慌ててないか?」

「ええ、お兄様。いま確認したのですが……人が魔物と交戦中ですわ」

「は?距離はどれくらい離れてる?」

「そうですね………ここからそう遠く無いですわね?1キロは離れて無いですわ」

「1キロって、シアそこで交戦中なのか?」

「ええ、そうですわ。如何しますか?助けますか?」

「助けますかって、お前は……この先で人が魔物と対峙してるんだろ?」

「ええ、そうですが。襲われている人が良い人、とは限りませんよ?」


 認識阻害張れば向こうからは、見えないから早々に張ろうかしら……。


「父上に相談するぞ。少し待ってろ」


 と言ってアレクが、父のいる場所まで走っていく。

 因みに襲っている魔物は、コボルトっぽいけど。

 コボルトぐらいで、苦戦なんてしないわよね?

 何でかしらとマップを見て、考えているとやたらと大きな赤い点が2つある。

ん?何でこんなに大きな点なんだろう?

 あ!キングコボルトかな?

 すると、そこへアレク兄とお父様がやって来きた。


「パトリシア、人が襲われているだと?」

「ええ、お父様。どうやら、コボルトに襲わていますわ。それとキングコボルトもどうしますか?」

「人は、何人いる?わかるか?パトリシア」

「ちょっと、待って下さいませ?えっと……馬車も有る様ですが……少ないですわ4~5人でしょうか」

「……わかった。ヴァンス、アレク一個小隊連れて助けに行け!気を付けろよ?」

「それでしたら私も、行きますわよ?」

「………パトリシアまたお前、やらかすなよ?」

「失礼ですわね!アレクお兄様!私がいつもやらかすとは限りませんわよ!」

「そう願うよ私は……パトリシア、では行くぞ。兎に角派手に何でもやるなよ?俺の言うことは聞けよ?」

「分かりましたわ。ヴァンスお兄様、任せてくださいませ!」

「「「・・・・・」」」

「なんですの?その冷たい目線は?私は、なにもしませんわよ?」

 全く失礼なんだから!!


 あ!そうだわ。(ルクス、ルト)

《何?主》ご主人》

(出掛けるわよ?どうする?)

(そう?じゃはいっててね)

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