閑話 国王side 1 王子ざまぁ カウントダウン 1

 国王と王妃が、息子ルーベルトを引き連れて王城に戻る馬車の中で王妃が、ルーベルトに怒りを現す。


「ルーベルト。お前は、なんて事をしてくれましたの!」

「な、母上?何をお怒りになって、いらしゃるのか?」

「何を?ですって!!貴方!」

「ヒッ!なんだ?」

「何だ?ではないですわ!どうしますの"これ"」


と自分の息子を、指を指して『これ』と呼ぶ。


「どうすると、申しても……ルーベルト、お主如何するつもりだ?」

「如何?とは何ですか?」

何も分かっていないのか?ルーベルトは首を傾げる。


「「はぁーーーー。」」


 国王、王妃二人揃って深いため息と共に頭を抱える。


「ルーベルトよ。お前、先ず一つ確認するぞ!前にも話したが?この話は前にも話したと思うがな……?お前は、学園の卒業は出来んのに!何故?卒業パーティーに、あの場に現れた?更に、確認だ!何故パトリシア嬢に、婚約破棄等と巫山戯た事をあの場で、言い放った?」


 父が言い終わると少しの沈黙があった。


「ん?………………?」


「父上?何故、私が学園を卒業出来ないのですか?そんな話しは聞いて居りません!」

「「はぁーーーー」ルーベルト!」


 だって、可笑しいだろう?私は王子だぞ!

 卒業など、簡単に出来て当たり前だ!

 何を可笑しい事があるか!


「貴方、私この子要らないわ!ハインツとクレールが居れば国は安泰ですが。この子が居ると兄達の足元を、揺るがし兼ねないわ!それとベルガモット家の事も気になります」


「母上?私を要らない?え??」


「妃よ、自分の子を要らない等と………だが仕方がないのか?」


 だがしかし、揉めた相手がベルガモット家だ長年、宰相からパトリシア嬢の事を蔑ろにすればと………話をされて、釘を刺されてきたのだ………。

 それをこの馬鹿息子がやらかした。

 息子の行動に、目を瞑り見逃して居たのがこの結果だ。どう言い訳をすれば良いのかも、分からんのが今の現状だ。


「ルーベルト、お前の理解力は良く分かった。だがもう、一度話すぞ!先ず学園卒業の件だ。お前の、学力試験の結果は全て最下位だったな?」

「え?そんな事はないはずです!あっ!これもパトリシアが!奴が何か教師に言い。私を…」


 息子の馬鹿な発言に、ワナワナと震えて拳に力が入りルーベルトの顔を殴り着けた。

 ガッツ!と鈍い音がして馬車が一瞬揺れた。


「い、痛い!父上。私が何をしたのですか!」


 殴られた頬を抑え、ぶつかった肩も抑えて父に抗議する。


「馬鹿者!!何を言ってるのだ!お前の行動は、逐一学園の理事から連絡を受けておるわ!何がパトリシア嬢がなにかしただ!この愚か者」

「あ、貴方落ち着きましょう。馬車が揺れるわ」


妃の一言で我に返る。


「あ、あぁそうだな。すまぬな」


 父上が俺を殴っただと!しかも俺が学園を卒業出来ないだと!己れパトリシアお前何処まで俺を馬鹿にするのだ!!!


(何かお門違いな考えで、パトリシアを愚弄するルーベルト。

そもそも学園の卒業が出来ないのも、父が怒りを現すのも自分が原因なのだが………お馬鹿な王子には、今の時点では分からないが……果たしてそれが、分かる日が来るのだろうか?)


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