第5話 卒業パーティー会場にて 1
パーティー会場に父と入って行き、会場を見渡すと流石貴族が通う学園である。
(要は、金掛かってんぞ!である)
華やかなパーティー会場で、シャンデリアが眩しい。目が慣れずチカチカする。
パーティーの流れとしては。
先ず、学院長の挨拶がありその後に理事長の挨拶で最後に国王陛下の挨拶で、パーティーが始まって無礼講になる予定だ。
「パトリシア、私は保護者席があるので席にいるぞ」
「ええ、お父様ありがとう。また後で」
父と別れて、卒業生が集まる場所まで移動すると学友が側に来た。
「パトリシア、ごきげんよう?待ってたわよ、貴女今日は一段とお人形感が増したわねぇ」
ちょっと……嫌味?かしら。
でも、棘はないのよね?
だから許してあげますわよ。
だって、綺麗ねとマリェールが誉めてくれるのは嬉しいわ。それに、こんなのはいつもの事です。
「ごきげんよう。マリエール貴女も綺麗よ、ドレス似合ってるわ」
「そう?でも、パトリシアと居ると霞んでしまうわねぇ。そう思わないイリア?」
「ごきげんようパトリシア。ええ、全くだわ。それにしても、本当に綺麗ねぇ~」
「まぁ~、二人ともありがとう」
二人にお礼を言って、ニコリと笑う。
暫く三人で話していると、突然イリアが喉が乾いたと言い出した。
「私、少し喉が乾いたわ。式までまだ時間が在るのかしら」
「そうね?式は、もう少ししたら始まると思うけれど」
「あ!あっちにドリンク持ってる………」
マリエールがあっちと言って指をさす。
えっと………どこ?
ホールを見渡して、ドリンクボーイを探すと丁度トレーを持ったボーイが居たので3人分のグラスを貰う。
「それにしてもパトリシア、今日のエスコートは何方なの?」
「それ、分かってて聞くのかしら?イリア」
「ま、そうね?あの方は未だに、この会場には居ない様ですわね?」
「パトリシア、貴女やっぱり早まったわね」
「私に、言わないで下さい。お決めに成ったのはあちらですし、家は逆らえなくて無理やりでしたのよ?」
「なんて、悲劇なのかしら私なら逃げ出すわ」
「私もよ、嫌ですわ。あんな家柄だけの、取り柄もない殿方何て」
「二人とも、当事者を前にその言い方は無くてよ?」
そうでしたわねと、クスクスと笑う二人。
笑う二人を眺めながら思う、全くもう恥ずかしい何で私が?
男運が壊滅的に悪すぎない?ねぇ神様!!
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