第77話 領地へ・・・足留め

 なら、お兄様が食事をしている間に御茶でも出しましょう。


「殿下。食後の御茶……しませんか?」

「良いですね?頂けますか?」

「ええ、なら」


 ティーポットとグラス、ピッチャーを鞄から出す。


 そのあとに、簡易コンロとミルクパンを出してミルクパンに水を魔法で入れてコンロでお湯を沸かす。


「殿下は、冷たいお茶でも良いですか?」

「ええ……構いませんが?何を入れてくれるのですか?」

「フフフ。少しお待ちになってくださいませ?」

「では、お待ちしますね。どんなお茶か楽しみですね?」


 また、見たこともない物が出てきたが……?


「シア、私にも入れてくれよ?」

「分かってますわよ?お兄様」


 ティーポットに茶葉を入れて、沸いたお湯をポットに入れて蒸らす。

 氷をピッチャーに入れて、蒸らした紅茶をピッチャーに入れアイスティーができたら、氷をグラスに入れて出来上がりです。

 そのアイスティーをグラスに注いで、二人の前に置く。

 あ!輪切りのレモンを添えてね♡


「出来ました。お二人ともどうぞ?アイスレモンティーですわ♡」因みに、お砂糖は無しよ!


「「ありが………」とう。パトリシア嬢」


 あら?二人の声が重なったわねと思ったらお兄様が途中で言葉を止めて改めて言い直したわ。(笑)

 そんなに嫌なのかしら?


「コホン。ありがとう、シア」

「いえ?どうしたしまして?お口に合えば良いですが?」


 お兄様が、レモンティーを一口飲んで誉めてくれる。


「フフフ。美味しいよ。シアの作るものは、何でもない旨いからな」

「あら?お兄様ったら。誉めてもなにも出ませんわよ?」フフフと笑う。

「これは、美味しい御茶ですね?パトリシア嬢。お茶を入れるのが、お上手なのですね?それにしても、随分とご兄妹の仲が良いですねぇ?」

「そうですか、普通では?」


 あら?殿下、突然どうしたのかしら?

 仲が良いのは当たり前よね?家族ですもの。

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