第8話 何かしら?厄介なことならお断り。

「ところで、叔父様は?お戻りにならないの?」

「あぁ、私はパトリシアに用があってね?」

「はぁ?用ですの?」


 な、何かしら……また厄介な事ですか?


「なに、たいした事はないよ?少しパトリシアにお願いがあってね?兄上と話はしてるのだが……」


 叔父様、やたら歯切れが悪いわね?なんとなく嫌な予感が………。


「なんですの?」

「本当に、大したことではないよ?領地の視察に来る貴族が、2週間後に10人程纏って来るように。予定を経てたんだよ。その話をパトリシア達と、兄上で詰めたいと思ってね。呼びに来ただけだよ」

「な、何故私を?その様な話は、私抜きで進めた方が良いのでは?」

「そうも行かないだろ?パトリシア、お前は既にこの家には、無くては成らない人物だよ?」


 な、なにそれ………怖いわぁ~!


「はぃ?なんですのそれは、私は知りませんわよ?お手伝いはいたしますが………」


 それでけですわよ?


「叔父様……私に何をさせたいのかしら?」

「それは兄上の、部屋でしょうではないか?ほら、チビ達を仕舞って。さっ!行くよ」

「そ、そんな従魔達を、物のみたいに言わないで下さいませ?」

「それは悪かったね?だが行くよ?ほら」


 そう叔父様に急かされて、お父様の執務に向かいます。全くなんだと言うのかしら?もちろんチビッ子達は、影に入れないで私が抱えてますよ?

 唯、ルクスの上にはカイとルトが乗り私の横を歩いてもらってます。正直抱ききれないのです。


 城の廊下を叔父様と歩く。


「パトリシア?」

「なんですの?」

「チビ達……増えてないかい?」

「ええ。先ほど増えましたわ」

「………そうか」

「何か?」

「いや。ククク」

「なんですの、叔父様は?」

「何でもないよ?本当に君は楽しい娘だね。(本当に不思議な娘だ)」

「叔父様ぁ~?私、全く誉められてる気がしませんわ?」

「まあ、そう怒るな……ククク。ほらそろそろ執務室だぞ?ポール頼む」

「畏まりました」


 叔父様専属の執事のポールが、執務の扉をノックすると中に居るお父様が、入室の許可を出し私達が部屋に入ります。


「失礼。兄上、パトリシアを連れて来たが?」

「あぁ、すまんね?ハンス助かったよ。何せパトリシアが、クレオにお冠でね?」


 あぁそれで………叔父様でしたのね?


 それにしてもしても、私がチビッ子達を連れてるのに全くスルーですの?


 …………それで良いのかしら、お父様?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る