第84話 製薬会社の闇。

 僕とシュタインはこれからバイエルンに突入し、これから地下にユンケラ首相がいると思い、地下室へ突入した。

 何故、地下なのか。

 一般的に宇宙人はマントルの下を通ってそこから地球とやり取りする事が常識になっているからだ。

 それ故に、マントルにある地下を通る事でドイツなどの欧米政府のトップとやり取りする事は既に知っていた。

 ただ、テレビに出てくるマントルの多くはやらせ…。

 予めセットで山に入れるように作られている。

 だからセットが偽物だと分かった以上、本物のマントルが何処にあるかはわからない。

 けど、ユンケラ首相などは自分の身を潜める為に地下に潜入する事は間違いなくあっていると思った。


「シュタイン。これから地下に入るが大丈夫か?」


「あぁ、大丈夫だ。ただ、妙に怪しい匂いがしてくる。」


 怪しい匂いがする…。

 僕はシュタインと共に妙な気配を感じながらこれから地下にいるユンケラ首相を探し出した

********

「なぁ、ゲオルグ。妙にこの地下の雰囲気は怖いか~。」


「いや、俺は怖くない。寧ろ、この部屋は誰もいないと思っているから安心できる。」


 だとすれば良いがな…。

 俺とゲオルグは地下に突入後、ユンケラ首相がいる部屋を探し出す事にした。


「おい、ユンケラ首相はここにいるのか?」


 俺はユンケラ首相が大声で叫んでも反応する筈がなく、寧ろ騒ぐことで逆に目立つようになる事を知りながらも俺はこのドアを開ける事にした。

 すると…、


「気をつけろ。」


 突如、ゲオルグが警戒の発声をしたので俺はすかさず右にある、自動吹き矢壁を察知しよけた。


「危ないな。何で右に自動吹き矢壁があるのか俺にはわからんぞ。」


「恐らく、ユンケラ首相を守る為にこの様な自動吹き矢壁を作った可能性があると僕は思う。そしてこの吹き矢には毒が塗られているのは間違いない。」


「まぁ、当然だろう。吹き矢だからこそ壁に毒を塗っているのは至極当然だ。そうしないと吹き矢の応力を失うからな。」


 確かに吹き矢の効力を発揮するには壁に毒を塗るのは至極当然に決まっている。

 寧ろ塗らないと相手を一撃で仕留められない事ははっきりと俺も分かっていた。

 そしてその毒は死刑囚に使われる毒は間違いなくペントバルビダールという薬だと分かった。


「そして、この毒はペントバルビダールという薬で動物を安楽死させる時に使う薬品だろ。」


「間違いなくそうだな。そしてこれを血液に投入すれば致死量の毒で相手は苦しみながら死に至る薬品だ。」


「ある意味。即死よりタチが悪いな。」


「あぁ、悪いとも。即死なら苦しまずに死ねるが、この薬が血液に入れば非常に苦しみながら死ぬ事になる。俺はペントバルビダールがある事は、間違いなくここが多国籍製薬会社『バイエルン』の本拠地だから安く作れたと思う。」


 製薬会社なら確かにペントバルビダールという薬を作っても違和感をないな。

 だとすればユンケラ首相が製薬会社に逃げたのもペントバルビダールを利用した罠を簡単に作れ、更に建物内AIで標的を定めたら攻撃してくるやり方だと俺はつくづく製薬会社と政府が密接に関係していると感じ、早くユンケラ首相を見つけなければならなかった。

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