第116話 ロックチャイルド家の野望。

「Началов Истриские в Мировой. (物語開始の世界。)」


 俺はロシア語で能力発動の詠唱を開始し、これからジェイコブ・ロックチャイルドとの戦闘を開始した。

 当然、WMA資金の問題から奴を完璧に殺す以外に手段はなかった。


「ほう。お前は凄く怖い顔をしている。俺がIWCの職員でIWCを支配するジョージ・ロックチャイルドの息子だ。俺はお前達を殺す事で世界統一政府を確立させたいんだ。」


「成程。やはり貴様の言動は非常に外道でカスの連中だな。やはりロックチャイルド家は世界支配の為にイラク戦争を仕掛けたいんだな。」


「その通りだ。シュタイン。その為に、ここにあるWMA資金を略奪してそれを戦争の資金に帰るんだ。」


 そうか…。


 ロックチャイルド家は自分達の理想の世界の為に動くとんだ外道だと思うと俺はこいつらで容赦しなくて良いと感じた。

 だって、あんな連中に情けを持つと見っともないからな。


「そして、貴様達はユダヤ教を偽装し、プロテスタント右派政治をしているんだろ。」


「その通りだ。俺達、ロックチャイルド家は新世界統一政府樹立の為に動いて居る。そしてイラク戦争を行い、イラクを破滅に追い込ませる事で、俺達の理想が実現するんだよ。」


 何という外道な輩だろうか?

 俺はこちらには絶対に負けたくない自身が芽生え、本気で殺さないと逆に俺達が殺されると感じる奴だった。


 奴らは自分の理想の為に、お金や情報を利用して相手を追い込ませる能力を持っているのは確かだ。


 故に俺は奴らの思考が意外と単純で明確だからそれ位は読めた。


 しかし、単純で明快な奴ほど、芯を曲げない傾向があるのでそれを阻止するのは非常に厳しい。


 俺は奴らがそこまでして世界統一政府を樹立させたい思惑があるのは偶然ではなく、かなり緻密に明確に組み込まれた計画なのだと感じた。

 故に、奴らと闘うには他力本願でなく如何に自発的に情報を奪い取る事が大事になる。


 事実、俺は既にロシアに亡命し、アメリカや欧州の各政府の盗聴疑惑について明らかにした。

 それ故に、これから俺がやるべき事はロックチャイルド家による統一政府を確実に阻止して真の平和世界を実現させる事だと実感した。


 そして俺は、メッセンジャー博士の意向でその平和を担う使命を持っている。

 それ故に、メッセンジャー博士の為に動く政治でなければ結果的に意味をなさない事をつくづく感じ、平和にはIWC連中とは相成れないと感じた。


…メッセンジャー博士。俺は貴様の平和を絶対に叶えて見せる。アメリカ政府、即ち米民政党を確実に終わらせる為に俺は動いて居るんだと…。


 俺が出来る事はメッセンジャー博士の平和路線を叶えさせる事、そしてIWCや米民政党を終わらせる為に奴らを討伐しなければならなかった。

 米民政党やIWCが仕掛ける犯罪行為を俺達は絶対に終わらせなければならない使命に圧力を感じながらも、俺は確実に奴らを倒せる方法を既に知っていた。


 奴らは、情報を金の力で転ぶが故に『カラプソフミーラ』と違い、情報の正確さや精度が非常に低い。

 裏を返せば奴らは如何に金で転ばずに得て、利用すれば簡単に崩れる。

 故に金で転ぶ事を悪と認識すれば十分だ。


 そして、情報は金で買えても正しい情報とは限らない。

 寧ろ、金で転ぶ情報より金で転ばない情報の方が強固で正確な情報を得る事が多い。

 それはカラプソフミーラもそうだし、FSBもそうだ。


 それ故に、俺が出来る事はアメリカ政府やIWCの情報を如何に上手く収集し、それを『カラプソフミーラ』の為に有効活用するかが大事になると感じた。


 だから、俺はこんなロックチャイルド家の息子などに負ける訳にはいかない…、


 例え、契約違反で破滅の烙印が悪化しても奴をここで殺しして見せる。


「ジェイコブ。お前はWMA資金が欲しいんだろ。だったら、お前をここで殺してそれを阻止するしかないな。」


「ほう。流石はシュタインだ。妹のドロテアと違って癖者での裏切り者め。お前には容赦なく殺せる準備が出来たぞ。」


 俺は腐りまくったIWC職員に裏切り者と言われる事は逆に褒め言葉として残しながら、ここで口封じの為にも、奴を殺す戦いを始めた。


 奴を殺さなければ俺達が死ぬから…。

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