第98話 興和会=徳田幕府の戦争計画。

 俺は典紀さんから長州閥が徳田幕府側、薩摩系が天皇側と言われた際に、衝撃的な内容だと驚いてしまった。


 まさか、日本における2大派閥の争いが徳田幕府派と天皇派の2つに分かれて争っている様相を見ると徳田幕府派がアメリカ追従で戦争重視主義だと改めて思い知らされた。


「典紀さん。何故、徳田幕府派が戦争屋が多いと実感できるのだ。」


「シュタイン君。徳田幕府派に戦争が多い理由は貴様も解っているだろうと思うが、まず江戸幕府自体がアメリカ建国の為に作られた幕府なんだよ。で、江戸幕府的な新自由主義を進めるのが興和会こうわかいの役割だ。」


興和会こうわかい…。つまり、徳田幕府やアメリカの意向でなんでも牛耳ろうとする悪の派閥か?」


「あぁ、興和会こうわかいの政治家は徳田幕府やアメリカの影響で首相を引退しても安泰だが、俺の親父が所属した帝政会ていせいかいはみんな酷い目に遭っているんだよ。」


帝政会ていせいかいの政治家が酷い目に遭っているのだと…。」


 俺はこの言葉に衝撃的な言葉を受けたが、これが事実だとしたら帝政会ていせいかいがアメリカ以外の国と協力的なのも天皇の影響からだと改めて実感する。


 つまり、日本には2つの派閥があり、1つは徳田幕府を始めとしたアメリカ追従の興和会こうわかい、もう1つは天皇の為に世界中の平和を貢献する帝政会ていせいかいの2つの派閥があると俺は実感した。


 そして、戦争を仕掛けるのは渡部真三わたべ しんぞう率いる興和会こうわ系の政治家が中心だと分かった以上、帝政会ていせいかいがそれを抑止する手段に成ると俺は思っているので本当の平和を実現するには江戸幕府政治、即ち興和会政治を折らわせる必要があると俺は思った。


「で、我ら『カラプソフミーラ』が討伐する派閥は当然ながら興和会こうわかいの方だ。」


興和会こうわかい。つまり、徳田幕府派閥の方であっているんだな。」


「そうだ。江戸幕府の日本は一見すると平和に見えるが、英国によって金塊を奪われ、軍産複合体を生み出してしまった時代といえる。明治以降に表立ったのは江戸幕府時代に作られた軍産複合体が潜んでいるからだ。」


 つまり、軍産複合体が江戸幕府を崩壊したように見えて、アメリカ建国に関与したのは間違いなかった。

 それと同時に、徳田幕府はかなりのアメリカ追従ぶりを見ると江戸幕府が興和会の目指す政治だと俺はつくづく実感し、憎しみを抱いた。


 俺は徳田幕府とアメリカIWCを知って改めてこれを認識した。


 アメリカで徳田幕府が英雄視される政治に繋がると俺は思いながら、徳田幕府はアメリカと関与している事は間違いないと感じた。

 つまり、アメリカの為の動くのが徳田幕府の戦略であり、ブラック労働も徳田幕府や三河人気質を利用して世界中に植え付けさせるものだと俺は感じた。


 要するに、奴隷根性を出すには三河人気質を世界中に輸出すれば侵略や植民地化が容易になると俺は実感した。


 何故ならIWC時代で一番、侵略しやすいのが三河人気質だと俺は情報を得た事があるからだ。

 そして興和会こうわかいは徳田幕府との関係が密接ならアメリカ追従はそこに来ると俺は感じた。


「だからこそ…。俺が興和会こうわかいを討伐して帝政会ていせいかいを作る必要があると…。そして、帝政会ていせいかいの日本にすれば世界は変えられるのだといえるのだな。」


「その通りだ。つまり、俺たちがやるべきなのは江戸幕府を折らわせ、本物の明治維新を起こすべきだと俺は思っている。」


「本物の明治維新…。」


「そう、薩摩藩が目指した本物の明治維新だよ。」


 俺は本物の明治維新がどんなのか考えながら、典紀さんにその事を聞いてみる事にした。

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