第41話 国際組織は役立たず。

 俺は典紀さんから国際機関の話を聞いた事により、国際機関が俺達を始めとしたアメリカや西側諸国の意向に逆らう連中を裁こうとする動きに感じた不信感から、彼らがとても信頼できる組織じゃないと感じた。

 俺は奴らがその様な組織だと知り…、


「つまり、国連は英米仏の私物機関と言っても良い位、彼らの意向で動かないのか?」


 俺はありきたりな質問をしながらも奴らを敵に回した以上、逃げ場など存在しなかった。

 それ故に俺は…、と鳥肌が立つ位、恐怖を感じた。


「その通りだ。国連は戦勝国の為の組織だが、実質的には3なのは間違いない。」


 つまりフランスや英国は表では批判してもアメリカの戦争に加担する事は普通にあり得えた。

 更に、国連や英仏はする可能性も充分にあり得る。

 無論、事実上米軍である国連軍を使いアメリカの責任を薄くする作戦をやると俺は感じた。

 何故ならそうしないとアメリカ世論から批判が立つ事が分かりきっているからだ。

 俺はそれを知っているからこそ、鳥肌が立ちながらも余裕の笑みの表情を浮かべた。

 つまり、国際主義や国連主義は実質的には対米従属主義に過ぎない事を典紀さんは知っていたからだ。

 無論、俺も『9・11』の情報を漏らした以上、アメリカだけでなく国際機関から敵視される事位、承知済みであった。

 恐らくアメリカの他に英国やフランスも『9・11』テロの自作自演を本音では隠蔽したいと思っている事を知っているからだ。


「だから、シュタイン、マリーナ。お前らはジョンソン達が帰ってくるまでここで待ってくれ。」


「あぁ、当然だ。それまでに俺は貴様らに話さねばならぬ事があるからだ。」


「勿論、私もここで待つ。あいつらが帰ってこなければ私らの情報が届かないからな。無論、シュタイン。貴様からも聞きたい事もあるからな。」


 ジョンソン達。イラクで無事に任務をこなしているだろうか?

 俺はジョンソン達が帰ってくるのか、心配しながらこの部屋で待機する事にした。

 あいつらが事件に巻き込まれていなければ良いが…。



 その頃、僕(エリック)はクレムリン宮殿に到着し、これからチェノフスキー大統領と対面する事を決意した。

 僕があの人に話したい事は山程ある。

 特にイタリアのシチリア島の件でシュタイン君の兄さんやゾンビ化された難民などについて報告しなければならない。

 当然、僕はこの宮殿に何かあると不安に感じつつ、これからクレムリンに入る準備をした。

 すると当然、警備兵が…、


「貴様は誰だ?」


 僕はチェノフスキー大統領と会う為に警備兵に名前を語る事にした。


「僕はアレクサンドル・エリック。マリーナの弟だ。」


 僕はその言葉でチェノフスキー大統領に信頼できるか確かめたかった。


 すると…、


「分かった。君はここで待ってくれ…。」


 まぁ、当然だ。恐らく警備兵には知らない奴だと思われるからな。

 だから僕はチェノフスキー大統領と対面しなければならなかった。


 すると…、


「君がマリーナの弟、エリック君かい…。」


 後ろから僕を脅している様に僕自身は恐怖を感じ、腕から鳥肌が立ち始める位、身体に悪寒が走った。

 凄く身体が震え、悪寒を感じる。

 その震え方の中で僕はチェノフスキー大統領が既に背後にいると感じ取れた。

 何故なら彼は初対面の人と会う時は威圧感を出してくるからだ。


「あなたが、チェノフスキー大統領ですか?」


 身体が震えつつも、僕は彼に対して言葉を向けるしかない。

 だから僕は…、


「あぁ、その通りだ。君には話していきたい事があるから是非、クレムリンの内部に来て欲しい。」


「分かった。」


 唇が震えながらもこれから僕はチェノフスキー大統領の誘いでクレムリン宮殿に突入する事を決意した。

 そして僕からはイタリアの事について話し、彼からは中東の事を聞かなければならないと思うと、体が物凄く緊張する。

 丸で嘘をついたら僕を殺す気が満々だと思い、正直に話すしかなかった。


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