イラク戦乱編
第40話 国際機関の恐怖。
そして、モスクワへ到着した俺とマリーナ、そしてマリーナの弟エリックはこれから地下鉄を介して、『カラプソフミーラ』の寮まで戻ろうとした。
「なぁ、エリック。モスクワの地下鉄は凄く綺麗だろ。」
「姉ちゃん。こんな地下鉄はパリやローマでは見た事ないから新鮮味を感じる。勿論、パリやローマでは絶対無理な建造物だから凄く感動するよ。」
意外とエリックは、実の姉であるマリーナの前では意外と甘えん坊な事に俺は気付いた。
しかし、イタリアで難民をゾンビ化して生物兵器として欧州中に送り込ませる事はアメリ政府が裏で欧州破壊を行おうとしてる事は分かる。
そんな事したら欧州に人が住めなくなってしまう。
俺は、2人が話している最中でも難民兵器の情報をメモしていた。
すると…、
「シュタイン。君は、このローマにいた時より落ち着いて作業しているけど、やっぱりモスクワの方が安全なのか?」
マリーナの弟であるエリックから話を聞いて、俺はすかさず返答した。
「あぁ、勿論だ。ここでは俺たちが安心できる設備が整えてある。何よりも、俺はここにいたお陰でIWCの連中から狙われないようになったからな。」
「ふ~ん。そうなんだ。」
ーーーエリック、俺を信用できないのか?
俺の質問に対して、エリックが疑問を持ちながらも彼が潜んでいたイタリアと異なり安心できる場所である事は彼も感じているだろう。
故に、俺はこの国であいつを歓迎しても良かった。
「ところでエリック…。」
だが、あいつは俺が話し始めた際に…、
「シュタイン。確かにこの国はIWCの連中から狙われる心配はなさそうだな。しかし、これから君はかなりきつい任務を引き受ける危険性が大いに在り得る。だから気を引き締めて任務を受けないといけない。きつくなくても君の妹が君を狙ってくる可能性も無きにしも非ずだから気を抜いたら君は死ぬよ。」
彼は俺の事を心配しながらも俺の妹であるドロテアが俺を狙ってくるのは避けられない事実だった。故に俺もあいつの意見を受け入れないと俺の命がない事を感じ取った。
そして、『カラプソフミーラ』寮に到着した。
エリック自身はこれからチェノフスキー大統領と会う為、寮の前で別れ、これから俺とマリーナは鷹川典紀さんにイタリアの任務の件について報告する準備をした。
「典紀さん。一応、任務の報告の前に国際機関が俺達を狙われている事について話しても良いか。」
「当然だ。さっき、チェノフスキー大統領に国際機関の件を話しに行くエリックの情報を得たからな。」
典紀さん。俺やジョンソン達から情報を聞き取る能力を有しているな。だが、俺はまだ敵じゃないから聞き取られても問題がない。
何故なら、この世界では二重スパイが一番、利用できるからな。
俺は、そう思いながら国際機関の件について聞くことにした。
「シュタイン。国際機関は表面上は正義ぶっているが、実態はアメリカや一部の富裕層の為に動く犯罪組織だから気をつけろ。」
「典紀さん。つまり、国連などはアメリカの意向で働くから、アメリカの意見に反対できない訳か?」
俺はアメリカの意見に反対でいない国連など存在しない方が良いと感じたので、この話の続きを聞くことにした。
「シュタイン。更に国際機関は戦勝国の中でもアメリカやフランス、英国の意向で動き、ロシアは戦勝国でありながら同性愛迫害などで非難される。同じ戦勝国なのに扱いが違う。故に、俺達が国際機関から非難されれば親米国家からは反逆者として裁かれるからな。」
俺は典紀さんからその話を聞いて国際機関が俺達を守る事はまずないと思いぞっとした。
故に、この国がやられたら俺達は終わりだと薄々感じてきた。
それ故か、俺は確実にロシアを守ろうと決意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます