第42話 イタリアとイラクの悲劇01。

「あなたがチェノフスキー大統領なのか?」


 僕はこの人がロシアのチェノフスキー大統領である事を知り、彼がこの国を統べ、欧米の悪行について変えようとしていると心底から感じた。

 流石はこの人、ロシアの大統領且つФСБ出身だと分る雰囲気だったな。だからシュタインさんやマリーナ姉ちゃんが信頼できる人だと僕は思った。

 恐らく彼はお金で執着しない。

 執着しないからこそ、彼は凄く信頼されているのだと僕は感じた。


「チェノフスキー大統領。イタリアでゾンビ難民が欧州の庶民に向かって襲い掛かってきた事件が発生した。この事件について貴方はどうも思うのか話して欲しい。」


 僕が彼に聞きたいのは勿論、イタリアで発生したあのゾンビ難民による襲撃事件だ。

 どうしてイタリアでゾンビ難民が庶民に向けて襲撃したのか?

 それをどこかの国が侵略兵器として何に利用しているのか僕にはよく分からなかった。

 それ故に彼に話せば何か解決すると僕は感じた。


「・・・。」


 彼が何を考えているのか僕には解らない。

けど、大統領は何を隠しているのか僕は非常に気になっていたので、彼にその事を話そうと思っていた。

 すると彼は…、


「エリック君。アメリカの諜報機関であるIWCが作った難民侵略兵器をご存知かい?」


 難民侵略兵器…。

その言葉は西側諸国では非常に禁句となっている言葉だと僕は感じていた。


「難民侵略兵器。つまり、ゾンビ化した難民を欧州の庶民に兵器の事か?」


 僕にはこの兵器の恐ろしさはつくづく感じていた。

だが、その兵器の効力は難民以外にも波及するとさえ感じていた。

 その兵器の威力から僕は凄く恐ろしいと感じた位だ。

 そんな兵器を欧州中に投入されたらそれこそ…、

この世の…、

終わ…、


「チェノフスキー大統領。僕はその兵器が欧州中に送られたら難民ゾンビだけでなくそこに住んでいる住民も難民ゾンビに噛まれてゾンビ化し欧州はゾンビだらけの地域になる。そうなったら…、」


 僕は欧州に難民ゾンビが送られたらそれこそ欧州中がゾンビだらけになる。

 僕はそれが凄く嫌で、絶対に止めないと世界中で難民ゾンビが大量襲来すると思い、絶対に阻止しなければならなかった。

 すると、チェノフスキー大統領は辛辣な顔で何かを語ろうとし…、


「エリック君。ご名答。」


やはり僕の予測は合っていた。

 つまり、欧州中に難民ゾンビを送り込む事で欧州を滅ぼそうとする勢力が存在すると僕は確信した。

 更にチェノフスキー大統領はその話の続きを話し…、


「更にエリック君。カミラさんからの情報でイラクではIWCの連中がアビーム大統領を殺害しようと計画していた。つまりイラクで何か大戦争を起こそうとするアメリカ政府が何か計画している事は間違いない。」


 つまり、イラクで戦争を起こし、そこからアビーム大統領を殺害してアメリカの都合の良い傀儡政権を樹立する

事を狙っているだろう。


 ―――当然、エリックが話している最中、シュタインでも同じ雰囲気で典紀と話している事で…、


「つまり、イラクでアビーム大統領を殺害する為に俺の妹であるドロテアが送られる訳…。」


 勿論、典紀さんがどういう経路で情報を得ているのか俺は解らん。

 しかし、俺の妹ドロテアがイラクに送られる事は間違いなくドロテアがアビーム大統領を確実に仕留める為に何か動くのだろう…。

 つまり俺は我が妹ドロテアと戦う事を俺は思うと、兄さんが言っている事が次第に理解できて来た。

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