第67話 苦しめ…、苦しめ…。
どうして俺は凄く苦しいんだ。
なんで、俺は民衆に罵倒されているんだ?
「シュタイン。お前が死ねばアメリカは守れるんだ?」
―――ふ~ん。哀れな肉屋を支持する豚共め…。貴様達が支持しているアメリカ政府はイラクを始めた中東の戦争や『9・11』の自作自演テロを仕掛けた確信犯だぞ。
俺は夢を見ているのか、それとも現実なのかよくわからない状況の中で考えていた…。
俺は、このままで良いんだろうか?
と、俺は思いながらこれからこれまでの状況を冷静に且つ、迅速に整理しようとしていた。
「って、さっきまでマクシムと闘っていたのに、何でアメリカに戻っているのかよくわからんな。」
俺のいる場所がフランスなのにどうしてアメリカにいるのかよくわからない状況の中で記憶を整理した。
「やっぱり、おかしいな。何で俺がアメリカにいるのか?ここはフランスなのに…。」
俺は次第にこの状況に違和感を感じ…、
「やっぱり、マクシム。俺をこうやって追い詰めながら、相手を苦しめるとは跳んだ外道やな。」
「ふん、君がアメリカを潰してロシアの為の世界を作ろうとする事に比べれば僕は正義をやっているだけだ。」
「ぷぷっ。その正義という言葉が笑えるんだよ。貴様達が仕掛ける正義はアメリカによる世界征服を肯定する為の手段である事を俺は知っているんだ。」
そうか。俺はマクシムと闘っている最中に『破滅の刻印』で俺はおかしくなっていただけか。
なら、俺はそれを防げばそれで良いんだな。
「Я Мой для есть. (俺が俺である為に…。) Концов на США з Мировой. (アメリカの世界を終わらせる。)」
俺はアメリカが凄く嫌いだ。
だからアメリカを差別する言葉も躊躇なく言う事が出来る。
アメリカによる世界征服を防ぐ為に…、そして中東の秩序を守り、本当の民主主義を作る為に…。
「ふっ。マクシム。貴様がフランス政府を支配しているなら、俺は貴様を殺してでもフランスを解放して見せる。」
「(・д・)チッ。僕の考えたフランス政府を利用した戦争が破断したか。なら、君には死んでもらおう。」
「ふ~ん。貴様が能力者でもその発動条件はどういうものなのか俺には良くわからんな。」
俺は奴の能力がどの様に発動できるか分からなかったが、それでもそれを発動する条件が既に整えてある事は薄々、気づいていた。
それは…、
『同性の肌にキスする事…。』
「君は既に気付いて言るかもしれないが、僕は同性の肌とキスする事で相手に様々な幻覚を見せる事が出来るんだよ。」
やはり、そうだ。奴は、そちらの毛がある事は戦闘しながら気づいたが、それでもそれが能力発動の条件だと解れば、俺は容赦なく奴を苦しめる事が出来る。
「なら、死んでもらおう。貴様があれなら俺は貴様を容赦なく殺す事が出来る。」
「でも、僕は貴様にもう1回幻想を見せる事が出来る。」
まさか、奴は俺が直接攻撃している際に、2回もキスしたのか?
やっぱり、奴は苦しめなければ…。
「つまり、貴様の発動条件が肌に触れなければ靴などでキスすれば能力が発動できなくなることだな。なら俺は貴様を蹴りで仕留めてやるよ。」
俺は、奴の能力発動条件が肌でキスしなければ良いなら、蹴りで攻撃すれば簡単に奴を殺せると思い、奴のアソコを蹴った。
「ほらよ。黄金地獄をよ…。」
「あん。僕がこんな目に遭うとは…。君の勝ちだね…。」
「キモ…。」
俺はその声で嫌悪感を抱いた。
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