第37話 シュタインの兄、マリーナの弟…。

「クレメンテ殿。私にキスをしてくれてありがとう。私は弟を探したい。だから、ここであのゾンビを倒してやる。」


 流石、マリーナだ。彼女の心の強さは精神面で弱いアメ●カ女性とは全然違う。

 勿論、フランス出身だが、難民問題でロシアに逃げた以上、彼女はロシア人女性としての精神面を持ち合わせている事は間違いなかった。

 当然、アメリカの『9・11』テロの資料をロシアに提供し、アメリカ中に暴露した俺も逮捕され死刑に追い込まれる覚悟で『9・11』関連資料を暴露した。

 故に、俺達はそれだけの覚悟を持たなければあいつらに殺される事を知っている。故にマリーナも精神面での強さと女性らしい可愛さを持ち合わせているのは、生き残る為に動いているからだ。

 最も、俺達はロシアが男女平等な理由も男性同性愛者に対して迫害を行った事も、少子化対策や女性の社会的地位の向上である事も知っていた。

だからこそ、マリーナの勇気感じた俺は、彼女の助けになりたいが為に、共闘しようとした。


「マリーナ。俺も生き残りたいからここで能力を発動せねばならないな。」


 俺は当然、マリーナやロシアの美談に浸かっている訳にはいかない。

 俺はここで難民ゾンビを倒ないとここで殺されるのが確実だから、綺麗事なしで彼女と供にゾンビ難民を殺すしかなかった。

 勿論、クレメンテさんもそれを知っての故か、俺に助けを求め始め…、


「シュタイン。俺の笑いを取らせてくれ。『Обама на Голбой.』(意味はご察しを。)」


「ぷぷっ。流石、クレメンテさん。貴様の笑いは誰よりも面白いから飽きないぞ。」


「ありがとう。シュタイン。そしてこれで能力条件は揃った。行くぞ、シュタイン。」


 やはり、砲台を難民ゾンビに向かって発動するようだと俺は感じた。


「あぁ、ここで俺達もあのゾンビを攻撃しないと俺達の祖国があのゾンビに乗っ取られてしまう。」


 俺も分かる。俺はアメリカの為に『9・11』テロ事件の全貌を公開しただけなのに、アメリカ政府から犯罪者扱いされ投獄された。だが、今はロシアに逃げたからこそ、こうした行動出来る。

 故にロシアから国際情勢を見ていく事が重要だと思っているので俺も能力を発動した。


「У запрязнеие есть Итарисчи. (汚染されたイタリア。)」


 よし、中二病言葉が発動したこれで能力発動が可能だ。


「では、行くぞ。」


 俺は、自身から発動する空気を利用して難民ゾンビに対して攻撃を始めた。


「凄い。難民ゾンビが風により、一気に殲滅している。ありがとう。シュタイン君。これで大砲発動できる時間が整えた。マリーナ君、君は大砲を超能力で操ってくれ。」


「了解。勿論、そうしないとゾンビ難民が全滅できないからね。」


 マリーナとクレメンテさんが能力を組めばこの一帯の難民ゾンビを殲滅できると感じた。

 そして、


「ドドーン。」


 クレメンテの能力である大砲が発動し、マリーナはそれを超能力で操り、ゾンビは次第に全滅した。


それから俺達は研究所に辿り着くまで同じ様な行動にでながら、研究所まで向かった。


ーーーそれから俺達は、いよいよ研究所まで辿り着いた事で、俺達は研究所に突入する準備をしていた。


「ここが例の研究所か。」


「あぁ、確かにそうだな。」


 俺達が気を引き締めて突入しようとすると、背後に誰かが現れた。


「マリーナ姉ちゃんか。そこにいるのはシュタインか。」


「お前、俺やマリーナの事をどうして知っているんだ?」


 俺はこの少年が何を話したいのか非常に気になっていた。


「君がシュタインか。なれ、君は君のお兄さんと妹を殺せる覚悟がある?」



 俺はこの時、兄も妹も俺の敵だと感じぞっとした。

 妹についてはIWCを裏切った時点で薄々、気づいたが兄はどうしてなのか解らない。

 そう感じた俺は、兄が何をしているのか頭が混乱した。


「シュタイン。お前が俺の愛用のゾンビを殺した犯人か。」


 兄さん、どうして貴様がここにいるんだ?

それで何でゾンビ難民を製造しているんだ?

兄さん、何でIWCの犯罪行為に何故、加担するんだ?

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