第36話 ゾンビ難民。
俺はこの通りにいる『ゾンビ化した難民』を殲滅する為に、奴らを殺害する行動を始めた。
というより、ここで奴らを殺害しないと奴らに噛まれるか性行為されて命取りになる。
最も、ゾンビ難民は一部の富裕層が作り上げた兵器である事を知っているので、難民を海に沈めてゾンビ化する事で彼らを欧州中に起こり込んで襲撃させる為にこの島で実験していたに違いない。
つまり、ゾンビ難民を作るにしても特殊な薬品かウィルス、或いは能力者が存在する事になるのは確実だ。
出なければ普通、死者をゾンビ化して再生する事等不可能に決まっているからだ。
「マリーナ。俺はこのゾンビ化した難民は裏で誰かが噛んでいるとしか思えない。でなければ、こんなゾンビ難民が生まれる事はまずあり得ないからだ。」
「シュタイン。アンタの言っている事は正しい。確かにゾンビ化した難民を兵器として作り出しているのは誰かが首謀していると読めるのは確かだ。」
マリーナが俺の意見に賛同し、彼女も人為的に作られていると読めた訳か。つまり、こういったゾンビ難民を製造しているのは紛れもなく人為的でやらないと生まれない事になる。
そう考えるとゾンビ難民を大量に製造させ、彼らの体液を普通に人間に染み込ませることでゾンビ化する人間を増やす手口なのは間違いない。
そして、それを首謀している奴はこの島に確実に存在する。
でなければナポリからこの島まで船に渡航した際、どうしてあの船に大量の難民を送り込んでいたのだろうかと疑問に感じたからだ。
だから俺は、この島では決して気が抜けないのは確かだった。
すると助けた女性が俺に向かって手を握りながら喋り始め…。
「貴公、私を助けてありがとう。私はフリージャーナリストのアンナ=リナ=ラッジ。研究所について調査したら突如、ゾンビ化した難民が私に目掛けて襲いかかってきた。」
「ラッジさん。ゾンビ化した難民にはアメリカやCIAが関与していたのか?」
「私はゾンビ化した難民から逃げる事に精一杯だったから、よく分からない。けど、ゾンビ化した難民はまず、あそこ以外に製造している場所はなかった。」
彼女のいう通り、この難民兵器を作っているのはこの島のとある研究所になるのは確実となる。
つまり、その研究所には事件を首謀していると思ってよいだろう。
故に、俺はその研究所が目標である事は間違いなかった。
だが、
「ラッジ。すまないが私の弟は何処にいるんだ?」
マリーナがラッジさんに向かって自分の弟の場所を探そうとしている。
恐らく彼女は俺や俺の兄と違って弟想いなお姉さんだろう。
それに対して、俺は妹であるに迷惑かけても、妹が正しい行動したとは言えず、俺も妹がIWCの為なら容赦無く身内であっても切り捨てる非情さがある事は俺が投獄されてから既に分かっていた。
だから俺はマリーナにと違って妹が嫌いだ。
そう思っていた時、ラッジは俺達に向けて口を開いた。
「マリーナ。貴公の弟について名前を教えてくれ…。」
ラッジがマリーナの弟の名前について教えれば居場所を応じる様だ。
「私の弟はアレクサンドル・エリック。私をロシアに某召させることに成功した自慢の弟だ。」
「エリック?それなら、私と共に行動していていたよ。今、研究所の方でゾンビ化した難民と敵対しているから運が良ければ見つかるかもね。」
「分かった。これから私らはゾンビ難民の根絶と我が弟を探す為に研究所へ向かう。情報ありがとうな、ラッジ殿。」
「当然。でも、私だけで襲われるのは御免だから貴公らと共に行動しても良いか?」
「当然だ。アンタも命の保証が欲しいなら私やシュタイン、クレメンテ殿と行動すれば良い。」
「そうだ。俺もイタリアの現状に違和感を持った事で新興政党『五つ星戦線』を設立した。だからこそ、ともに行動しよう。我が愛しき調査員よ。」
「えぇ。でも、クレメンテさん。愛しき調査員は余計だよ。」
「嘘…。」
「クレメンテさん。さっきのネタは凄くシラケるから辞めた方が良いぞ。」
「マリーナ。お前も余計な事を言うな。」
俺がゾンビ難民と闘っている最中、クレメンテさんと共にラッジさんと話したマリーナはここでゾンビ難民を駆除する為、自分の能力を発動しようと思った。
「あぁ、私が悪かったよ。だがら、クレメンテ殿。私とキスしてくれないか?」
「分かった。それが貴様の能力発動条件だろ。なら、俺とキスしても良い。」
俺が戦っている最中にマリーナも戦闘意欲が出たせいなのか。それともここで生き延びる為にクレメンテさんとキスして超能力を発動しようと考えたのか?
俺にはよく分からなかったが、その言葉からここで戦わないと確実に殺される恐怖から来ていると俺は感じた。
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