第45話 Моя Младшая сестра. (我が妹。)

 こいつがエンデラ・ドロテアか。

 シュタインの妹だが身長は割と平均だ。

 だが、シュタインは政治犯としてロシアに亡命しているのにどうしてドロテアがアメリカ国内で潜伏しているのだろうか?

 アメリカでは100の家族ファミリーが支配する構図だからそういうエリートやその関連企業が自作自演テロや小型放射能爆弾を作っていると考えられる。

 しかし、ドロテア。

 お前は顔は良くても凄く性格が悪いな。

 マリーナやカミラはこんなに性格が悪くない事を考えるとアメリカという国は性格ブスが多い国だと実感する。

 最も、英国もそんな感じだったから五十歩百歩か。

 更に英国人男性は女性がデブスばかりだからゲイに走る話も聞いてあるし…。

 っと、これ以上、英国の批判を語るのは止めておこう。


 そして俺は…、


「ドロテア。お前がIWC職員なら俺はお前を殺す。」


「ほう、莫迦兄貴のお仲間がこの戦争を止めようなんて笑っちゃうよ。」


「…。ドロテア…。お前はやっぱり洗脳されているんだな。」


 恐らくドロテアは小型放射能爆弾を所持している。

 勿論、使用するのはアビーム大統領の抹殺と骨ごと高温で溶かして証拠隠滅を行う気が満々だ。

 故に俺は典紀さんの指示で何としてもシュタイン(あいつ)の妹を止めねばならない。

 でないと下手すれば俺達もやられる。そう不穏な感じから戦闘態勢を整えた。


「カミラ。ゲオルグ。ドロテアはヤバい能力をつかってくる。気を付けろ!!」


「勿論。あいつは小型放射能爆弾を所持している事からここで殺すか、退散しないと私の命がいくつあっても足りないからな。」


「当然。俺も、こいつは危ない奴だと思ったよ。」


 あいつら、共に戦闘意欲が強くなったな。

 だからこそ、ここで彼女を退散させるか彼女を殺す以外に方法がないと俺は感じていた。



 ―――その頃、シュタイン達は典紀さんの話をしていた。勿論、ジョンソン達の戦闘は今始まったばかりだ。


「典紀さん。アメリカが小型放射能爆弾を使って9・11自作自演テロと敵対国の指導者の抹殺を行ったのか。」


「ご名答だ。シュタイン。アメリカは小型放射能爆弾を使用してWTCを木端微塵こっぱみじんにして、敵対国の指導者の家や親族を含めた遺体を骨ごと溶かしたのは間違いない。小型放射能爆弾は鋼鉄でも簡単に溶けてしまい、原型を留めないから、人間が直接被爆ひばくすれば跡形あとかたも残らないだろうな。」


 ヤバい、やはり小型放射能爆弾は危険だ。9・11自作自演テロで実際に使用された爆弾でそのお陰でアメリカの自作自演を隠蔽する事が出来た。

 勿論、爆発したのはWTCの地下だから地下で何かやったと俺は感じた。

 だが、典紀さんは俺がそう思っている最中、何か顔色に変化が起きたと感じた。


「シュタイン。ジョンソン達は今、お前の妹と闘っている。しかも、ドロテアは、小型放射能爆弾を所持している事から間違いなくイラクの指導者、アル・アビーム大統領を抹殺する気で動く筈だ。」


 指導者抹殺の為にドロテアが小型放射能爆弾を所持していると。

 やはり兄さんが予言通り、あいつは凄くいかれてしまった。

 間違いなく俺はあいつを殺す覚悟を持たねばいけない日は来るだろう。

 だらか、俺は最愛の妹を救う(ころす)覚悟を求められると感じた。

 身内同士が殺し合いはかなり怖い、でも身内だからといって手を抜けば俺は殺されると思い、少し鳥肌が立った。

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