第46話 Тюрьма страна в США. (獄産国家アメリカ。)
俺は、シュタインの妹がIWCの配下として動いている事を知っていたが、それでも彼女がこんなに危ない行動に出るとは思いも知らなかった。
「ねぇ、君たちがシュタインの仲間なの?あの裏切り者の莫迦兄貴の…。」
「ドロテア。お前がどれだけIWCに加担しているかわかるよな。」
俺は、ドロテアが正気な感覚を持っていない事を完治した為、ここで気を抜けば確実に俺も殺されると感じた。
だが、
「ねぇ、ゲオルグ。私の事をお兄ちゃんといってよ。」
俺はドロテアがどうしてお兄ちゃんという言葉を強要するのか謎が多かった。
だからこそ…、
「ゲオルグ。気を付けろ。あいつは標的にした相手に対して『お兄ちゃん』と言わせれば能力が発動できるんだ。」
「成程。なら、俺はその言葉を絶対に言わない。」
やはりそうだ。
ドロテアが有する能力は対象の相手に『お兄ちゃん』といわせることで自分と相手の身体を入れ替えさせる能力だ。
つまり、力のある男の身体と自分の身体を入れ替える事で能力が発動できる。
それ故に、『お兄ちゃん』と叫べば確実に相手の身体を入れ替えてくる能力を使用してくる。
つまり、あいつは情報奪取のプロという事になる。
しかも、彼女は金だけでIWCに転ぶやつとは思えない程、忠誠心が高い女だ。
だから、ここで油断すれば確実に俺は死んでしまうだけでなく『カラプソフミーラ』やロシアに関する情報を奪われる可能性があると感じ、決して気を抜かなかった。
「なる程。ジョンソン。私の能力がとっくに分かっちゃったか。でも、私の任務はあんたらやアビーム大統領は後で殺してあげるからね。では、さよなら。」
何だ。あいつの狂気ぶりは…。
俺は
ドロテア…。
能力だけでなく金で転ばないから確実に殺す以外に方法がないと思った俺は、ゲオルグやカミラに彼女を同行するのを控えさせようと思った。
「なぁ、ゲオルグ。カミラ。」
「ジョンソン。あいつは常人の感覚を持ち得てない。情報を奪い取るプロだ。下手に追えば俺らの身体を奪われ、『カラプソフミーラ』の情報を奪われる。と言いたいか。」
「あぁ、そうだ。あの女は常人の感覚で戦えば確実に俺達は殺されるだけでなく情報まで
「つまり、相手を疑心暗鬼に陥れて追い詰める能力にもなりえると…。」
「そうだ。」
俺はドロテアの有する能力がどれだけ危なくて危険な能力なのか大体、予測できたがそれでも彼がこんなに怖いと思わなかった。
それ故にあの女を
勿論、俺も我が妹の能力で身体を奪われれば命の保証がないと思い、決して油断できないと思った。
だからこそ、俺が出来る事は…
「マリーナ。ドロテアを相手にする時は決して疑心暗鬼に陥るな。」
「了解。」
「勿論。俺もだな。」
俺が言えるのはそれだけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます